真央出遅れ5位 ジャンプでミス連発

 「フィギュアスケート全日本選手権」(26日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 女子ショートプログラム(SP)が行われ、2年ぶりの全日本選手権出場となった浅田真央(25)=中京大=はジャンプのミスが響き、62・03点で5位と出遅れた。連覇を狙う宮原知子(17)=関大高=は、完ぺきな演技で73・24点の首位発進。本郷理華(19)=邦和スポーツランド=が68・39点で2位につけた。フリーは27日に行われる。

 ふがいない自身への怒りを押し殺すように、真央は眉間にしわを寄せ、天を仰いだ。

 冒頭のトリプルアクセルで着氷が乱れると、続く連続ジャンプも最初の3回転でお手つきしてしまい失敗。GPファイナルから難度を落とした構成で臨んだが実らず、得点は今季ワースト。全日本でのSP5位発進も05年のシニア転向以降ではワーストとなった。世界選手権代表切符も危うくなりかねない出遅れに「自分が思うような滑りができてない。う~んって感じですね」と、うつむいた。

 GP復帰戦だった11月中国杯で優勝して以降、NHK杯3位、ファイナル6位と苦戦が続く。ソチ五輪後、1年間の休養を経て今季から復帰。帰ってきた銀盤で厳しい現実を突きつけられている。

 特に深刻なのは精神面だ。復帰以降「自分が戻ってきたいと思って戻ってきた」と話してきたが、この日は「初戦は久しぶりでワクワクしたけど、その気持ちが薄れてきている。試合を重ねるごとに自分の演技ができないことが続いて気持ちが下降気味で入っている」と明かした。

 ただ、これまで真央は何度も逆境からはい上がってきた。シーズン序盤のスランプから立ち直り、トリプルアクセルを3度決め、ギネス記録に名を刻んだバンクーバー五輪。そしてSPの出遅れから、世界中に感動を呼んだソチ五輪のフリーの演技。「自分は最後の最後まで追い詰められることで、力を発揮できることが多い。これも1つの経験、過程としてとらえていきたい」。自らに言い聞かせるような言葉には、まだ力はない。それでも誰もが信じている。浅田真央はこのままでは終わらないと-。

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