真央転倒…フリー3位も復活V!

 「フィギュアスケート・GPシリーズ第3戦・中国杯」(7日、北京)

 女子フリーで、1年間の休養を経て、2季ぶりのGPシリーズだった元世界女王の浅田真央(25)=中京大=はフリー3位の125・75点だったが、ショートプログラム(SP)1位との合計197・48点で優勝した。GP通算15勝目で、日本選手最多を更新した。SP2位の本郷理華(19)=邦和スポーツランド=がフリー1位の129・97点をマークし、自己ベストを更新する合計195・76点で2位に入った。日本勢が出場しなかった男子は、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)が優勝した。

 現時点の自分の力を確認したかのように、浅田はうなずいた。満足とはいかない演技でも、1大会を滑りきった安堵(あんど)感が表情を和らげた。

 「納得はしていないです。でも、いい一歩を踏み出せたかな」

 冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は成功したが、連続3回転ジャンプで「予想外」の転倒。ジャンプが抜ける場面も目立った。それでも、ほかの選手とは積み上げてきたものが違った。それは圧倒的な表現力だった。

 「若い選手たちには出せない、スケートの味を出したい」と話していたように、「蝶々夫人」のしっとりとしたオペラにのせ、長崎を舞台に日本女性と米軍士官の悲恋を描いた物語を氷上で表現した。SP「すてきなあなた」の妖艶な女性とは一変した演技は、見るものをひきつけた。表現力を示す5項目の構成点の合計は69・60点。2位以下を4点以上も上回った。

 一方で、ブランクを感じさせるミスもあった。休養していた昨季から「名前を呼ばれてから演技開始まで30秒以内(以前は60秒以内)」という新ルールが適用された。30秒以上かかり、減点された。「1分だと思っていた。勘違いでした」と、苦笑いで反省した。

 10年前、GPデビューした地でスケート人生の再出発を優勝で飾った。GPファイナル進出がかかる次戦、NHK杯(27日開幕・長野)へ向けて「プログラム全体の仕上がりを、もっと練習しないといけない」と、拳を握った。

 今大会中、18年平昌五輪について「もちろん頭にある」と、再び五輪を目指す可能性を初めて示唆した。滑りも表現も、15歳のころより格段に進化した。ただ、屈託のない笑顔だけは10年前と変わらないまま、浅田真央は再び氷上の物語を紡ぎ始めた。

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