体操ニッポン 女子団体総合も五輪決めた! 全員でつかんだ60年ぶり銅メダル 杉原愛子「最高な一日」
「体操・世界選手権」(21日、ロッテルダム)
女子団体総合決勝が行われ、杉原愛子(27)=アローヴラボ・TRyAS、西山実沙(16)、中村遥香(18)=ともになんばク、岸里奈(19)=戸田市SC、岡村真(まな、21)=相好ク=の日本が4種目合計164・063点で銅メダルを獲得し、3位までの2028年ロサンゼルス五輪出場枠を獲得した。1966年ドルトムント大会3位以来60年ぶり3度目の表彰台。中国が165・764点で20年ぶりの世界一に輝き、8連覇を逃した2位の米国とともに五輪切符を手にした。予選の得点は持ち越さず、種目ごとに演技する3人の得点合計で争われた。
快挙の立役者は全員だった。大黒柱の杉原も、予選で好調だった岸も出番は2種目のみ。「チーム力」を合言葉に5人が強みを生かし、女子団体総合で60年ぶりの表彰台を実現した。ミスが相次いだ予選から立て直し、歓喜の輪で27歳の杉原は顔をくしゃくしゃにして泣いた。
「仲間と助け合い、信頼し、五輪チケットを獲得できた。最高な一日」
落下の危険が伴う最初の平均台。先陣を切った16歳の西山が強気の連続ジャンプで不振を払拭し、決勝で抜てきされた中村が続いた。村上茉愛監督の選手起用が的中し「あれでいい流れに変わった」と、杉原が床運動で全ての跳躍の着地をまとめて3位に引き上げた。さらに跳馬では西山、岸に続いて大技「ユルチェンコ2回ひねり」を完璧に跳躍し、突き進んだ。
6月に主力メンバーで臨んだアジア選手権で中国に約5点差の大敗。男子とは対照的な苦闘の歴史を知る杉原を中心に、チームは話し合いを重ねた。個々が演技力を高めるだけでなく、互いを支えて戦う意識を育んだ。声をかけ合い、ミスしても謝らず次に備える。予選後は気負いすぎた精神面を反省し、決勝には「無欲無心で楽しむ」ことを共有して臨んだ。
最終種目の段違い平行棒で、出番を終えた岸と杉原はマットの用意やワイヤの調節を手伝った。最終演技の西山が落下しても「応援や『大丈夫』の声が聞こえた」と明かした。踏ん張って演じきると、メダルを願った仲間が両腕を突き上げた。体操ニッポン女子の歴史を動かした結束力。5人のヒロインがロッテルダムで最高の輝きを放った。
◇杉原愛子(すぎはら・あいこ)1999年9月19日、大阪市出身。東京・藤村女高から武庫川女大に進学した。16年リオデジャネイロ、21年東京両五輪代表。昨年の世界選手権で床運動優勝。今年の愛知・名古屋アジア大会は個人総合、床運動で2冠に輝いた。アローヴラボ・TRyAS。デイリースポーツ制定「2025年度ホワイトベア・スポーツ賞」受賞。
◇西山実沙(にしやま・みさ)2010年9月7日、和歌山市出身。今年の全日本選手権とNHK杯で2冠。愛知・名古屋アジア大会は団体総合、段違い平行棒、床運動で銀、個人総合で銅とメダル4個。大阪・相愛高、なんばク。
◇岸 里奈(きし・りな)2007年9月23日、埼玉県戸田市出身。24年パリ五輪代表。昨年の世界選手権で個人総合6位。愛知・名古屋アジア大会は団体総合銀メダル。環太平洋大、戸田市SC。
◇岡村 真(おかむら・まな)2005年5月28日、三重県津市出身。暁高から四日市大に進学した。パリ五輪代表。23年杭州アジア大会は平均台で金などメダル3個。愛知・名古屋アジア大会は団体総合で銀、平均台で銅。相好ク。
◇中村遥香(なかむら・はるか)2008年5月18日、大阪市出身。パリ五輪代表。23年世界ジュニア選手権で個人総合優勝。愛知・名古屋アジア大会は団体総合銀メダル。大阪・相愛高、なんばク。
