京大医学部4年生・大鶴誠 一般公募からU23代表入り ラストシーズン開幕へ決意語る「高いレベルでやるチャンス広がる」

 京大・大鶴
 文武両道で日々精進する京大・大鶴(撮影・中田匡峻)
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 4月にラグビーの23歳以下(U23)日本代表の豪州遠征メンバーに選出された京大ラグビー部主将のSO大鶴誠(じょう、4年)が、18日までにデイリースポーツのインタビューに応じた。灘中・高から京大医学部に現役合格し、文武両道を極めている22歳。20日の関西大学ラグビーBリーグ開幕を前に、ラストイヤーに懸ける思いを聞いた。

 今春、桜のジャージーに袖を通した大鶴は胸を熱くした。国歌を歌いながら日の丸の重みをじっくりとかみしめた。「本当に憧れのジャージーだったので感動しましたし、(日本代表の)みんなと肩を並べて君が代を歌った時にぐっとくるものがありました」。世代トップの選手たちと戦った時間はかけがえのないものになった。

 自らの手で代表入りをつかみ取った。日本代表を率いるエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチが23歳以下の有望な大学生を育成する「JTS(ジャパン・タレント・スコッド)プログラム2026」で、今年から一般公募が開始。2部リーグにあたる関西Bリーグに所属する京大で代表関係者の目に留まる機会に恵まれない大鶴にとっては絶好のチャンスが訪れた。「アピール文とアピール動画で自分の強みを示して、簡潔に強くアピールしたらチャンスをいただけました」。各大学の有望選手も名を連ねたJTSの一員となり、そこから編成されたU23日本代表でメンバー入り。世代トップ選手の仲間入りを遂げた。

 代表活動で味わったのは、想像を絶する練習強度だった。「僕が普段やっていたトレーニングと比べると3倍も4倍もしんどい。日本が海外のチームに勝つためにハードワークしているんだなと感じました」。これまで強豪クラスの選手と同じフィールドに立つ機会もめったになかった。フィジカルの差を痛感すると同時に自らの伸びしろも実感。「自分のレベルを一段も二段も引っ張り上げてもらえた」と確かな成長を持ち帰った。

 グラウンドを離れれば、多忙を極める医学部4年生の顔を持つ。リーグ戦中の11月には、5年生からの実習に進むために合格必須となる医学部の全国共通試験が控える。普通の医学部生であれば部活は8月で引退するが、大鶴はラストシーズンを全うする道を選んだ。午前練習を終えると午後3時から就寝1時間前までペンを握る。リーグ戦期間中は、相手チームの分析や練習メニュー考案する時間も必要となり、一層勉強の時間は短くなる。「一般の医学部生からすると勉強しなさすぎと言われるかもしれないですけど、なんとか合格できるようにします」。過酷な二足のわらじを支えているのは幼少期からの習慣だ。

 ラグビー経験者の父や兄の影響で3歳から競技を始めた。灘中・高時代から「両方高いレベルを目指しなさい」と育てられ、文武両道を貫いてきた。「小さい時からそういう習慣がつけられていましたし、文武両道を目指しているところではあまり違和感も感じずやってきましたね」。ラグビーも勉学も一切力は抜かない。京大医学部生ながらの日本代表入りも、大鶴にとっては目指すべき道だった。

 家族や京大ラグビー部OBらのサポートを受けながらラストシーズンを見据える。「本当にたくさんの人に支えてもらっている。勝利という形で貢献できたらいい」と感謝の言葉を口にした。勝負の秋がいよいよ幕を開ける。目標はAリーグ昇格。これまでのチームのプレースタイルを大きく変え、80分間走り勝つフィットネスを徹底的に鍛え上げてきた。

 「今年で大学ラグビーは一度引退。ただ、リーグ戦で活躍して評価してもらえれば、さらに高いレベルでやれるチャンスも広がると思う」。知性あふれる司令塔。日の丸で培った経験を武器に京大の躍進をけん引していく。

 ◇大鶴 誠(おおつる・じょう)2004年6月5日、兵庫県西宮市出身。22歳。176センチ、84キロ。SO、FB。3歳でラグビーを始め、灘中から灘高に進み、現役で京大医学部に合格した。1月に一般公募でJTSに選出され、U23日本代表のメンバーとして4月の豪州遠征に参加。憧れの選手はイングランド代表のSOマーカス・スミス。家族は両親、兄、妹。

 ◆京大ラグビー部 1910年に前身の第三高等学校蹴球部が創部され、22年に創立された日本で2番目に古い歴史を持つと言われている。京都市の京大宇治グラウンドを拠点とする。チームのシンボルは「立てる雄獅子(ライオンマーク)」で、スクールカラーは濃紺。昭和初期には3年連続全国制覇を達成。元同志社大学長・星名秦や元ラグビー日本代表監督・奥村竹之助らの指導の下、名門として日本のラグビー発展に大きく貢献した。

 ◆関西大学ラグビー 最上位のAリーグには2連覇中の天理大や、2021年から3連覇した京産大、最多優勝を誇る同大など8校が属しており、以下Bリーグ、C1リーグ、C2リーグに分かれている。20日に開幕するBリーグ以外は13日にスタートしており、11月にかけて熱戦が繰り広げられる。その後、各リーグの入れ替え戦が行われ、AリーグとBリーグについては12月13日に鶴見緑地でAリーグ8位-Bリーグ1位、Aリーグ7位-Bリーグ2位の組み合わせで行われる。

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