元幕内の大翔鵬が引退会見、決断は昨年の九州場所中「不思議ですね。もう力士じゃないんだなあ」内科医の妻と輸入雑貨扱う道へ

引退会見後に花束を受け取った大翔鵬
引退会見に臨む大翔鵬
引退会見に臨む大翔鵬
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 大相撲の元幕内、大翔鵬(31)=本名チミデレゲゼン・シジルバヤル、モンゴル出身、追手風=が16日、東京・両国国技館内で引退会見を行った。

 13日に引退が受理された大翔鵬は「不思議ですね。もう力士じゃないんだなあ。(力士の)感覚がまだ抜け切れなくて」と語った。

 引退は昨年の九州場所中に決めた。腰痛が原因だった。「場所前に腰の怪我が悪化してしまった。昨年の初場所でも腰を悪くして(十両から)落ちたんですけど、腰が良くなれば関取に戻れると思って、治療をしながら頑張った。でもまた悪化させてしまって、もう無理なんだ、治らない、と思って決めました」と明かした。

 両親、内科医である妻、6歳と4歳と1歳の息子3人の7人家族。「心が折れて、急に決めたので」と家族、同部屋の大栄翔、翔猿、剣翔らからは驚かれたという。「同世代の人がいっぱいいて、置いていかれないように頑張らなきゃっていう切磋琢磨はすごくあった」と感謝した。

 慰留もされた師匠の追手風親方(元幕内大翔山)には「その人に合った接し方をしてくれる。自分はよく『お前は性格が甘いから厳しくしすぎたら辞めちゃうから』って言われて、すごい優しくしてもらいました。すごく自由にのびのびやらせてくれましたね」と感謝を口にした。

 思い出の一番には、新十両昇進を確実にした16年秋場所の竜電戦を挙げた。その1年前から、幕内上位で大事な一番を「緊張で頭が真っ白になる。最初は記憶がないぐらい。気づいたら負けていた」と述懐するほど勝負弱かった。

 竜電戦を「立ち合いで変化しました。緊張で力が出ないので、どうしようかと思った。相撲の前に誰かに『竜電さんは立ち会い変化が苦手だよ』って言われたんです。わらにもすがる思いで、立ち合いで右に跳んだら、(竜電が)落ちましたね。やっと上がれた、と思って嬉しかった」と振り返った。得意の右四つになっても「足が震えて前に出られない」という状態を打破できた。なお、その助言主を「覚えていない」と苦笑した。

 大翔鵬は千葉・流山南高から追手風部屋に入門。13年春場所で初土俵、16年九州場所で新十両、19年春場所で新入幕。右四つが得意で幕内を9場所務めたが、最近は腰痛の影響もあり昨年春場所で幕下に降下。今場所は東三段目5枚目で3勝4敗だった。通算417勝433敗2休。最高位は前頭9枚目。

 今後は日本で生活し、自身の妻が起業したモンゴル雑貨の輸入通販会社「ナラン」を手伝うという。断髪式は未定。「本当はもっとやりたかった。自分に甘い性格だったので、特に自分を褒められるところはない。今さら言ってもしょうがないんですけど、もっと基礎運動をちゃんとやればよかった」と悔いは残るという。

 それでも家族と歩む新たな人生へ「まだ31歳。今引退したこと後悔しないような、あの時辞めて良かったと思える人生にしたい」と前を向いた。体重は195キロ。「ダイエットしてますが痩せないですね」と笑顔を見せていた。

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