「新ヒロイン誕生」「世界に通じる」衝撃の初マラソン日本新・矢田みくに 驚異的粘りにレジェンド軍団が驚きと称賛 有森裕子さんは「ここまで粘る選手初めてみた」
「大阪国際女子マラソン」(25日、ヤンマースタジアム長居発着)
9月開幕の名古屋アジア大会、28年ロサンゼルス五輪の日本代表選考会を兼ねて行われ、初マラソンとなった東京世界選手権1万メートル代表の矢田みくに(26)=エディオン=が2時間19分57秒で日本歴代6位、初マラソン日本最高記録をマークし、日本勢最高の4位となった。
終盤は海外勢と壮絶な争いを繰り広げた。表彰台はならなかったが、その驚異的な粘りにレジェンド解説者軍団も舌を巻いた。日本陸連の有森裕子会長は最後のトラック勝負で「トラックでは強いはず。絶対行く!絶対行く!」と叫び、「ここまで粘る選手は初めてみた。粘るっていうのはこういうことを言うんですね。こっちまで涙が出る。自分でもびっくりするぐらい感動しちゃいました」と舌を巻き、アテネ五輪金メダリスト、前日本記録保持者の野口みずきさんは「す~ごいですね。もう本当に素晴らしいのはキツイところを引かないで、自分の頭の中でこうしなきゃいけないということを理解して実行してる。本当に落ち着いていてすばらしい。この走りは必ず世界に通じるものがある」と絶賛した。
高橋尚子さんも「心の強さ、気持ちの強さがすごい。ニューヒロイン誕生ですね」とうなり、福士加代子さんも「初マラソンで楽しかったならどんどん続いちゃう」と称え、渋井陽子さんも「かわいいし、速いし、陸上界を引っ張っていってもらいたい」と期待を込めた。
ハーフマラソンの経験もない矢田だったが、スタートから積極的に先頭集団でレースを進めると、大会V3の松田瑞生(ダイハツ)ら有力選手が脱落していく中、25キロ時点で先頭集団に唯一の日本人選手に。ペースメーカーが外れた30キロ過ぎには先頭に立ち、集団をけん引。沿道からの声援に笑顔を浮かべる場面もあった。
35キロ過ぎにエデサ(エチオピア)、チェサン(ウガンダ)、ヒルパ(エチオピア)が前に出て、矢田は苦しい表情に。それでも食らいつくと、36キロ過ぎに再び先頭に。エディオンの沢柳監督も「まさか外国人選手の前に出るとは。想定外」と驚く走りをみせた。
39キロで再び外国勢が前に。チェサンが抜けだしたが、エデサ、ヒルパとの2位争いで40キロ過ぎで再び前に出る執念をみせた。
17年名古屋ウィメンズで安藤友香がマークした2時間21分36秒の初マラソン日本記録を大幅に更新した。2時間20分切りは高橋尚子、渋井陽子、野口みずき、新谷仁美、前田穂南に続く史上6人目の快挙となった。




