ラグビー 京産大フィジー出身エロニが亡き父へ日本一を届ける 初の決勝へ1・2明大と激突
京産大のCTBナブラギ・エロニ(3年=大分東明)が、亡き父へ日本一を届ける。ラグビーの全国大学選手権は1月2日に東京・国立競技場で準決勝が行われ、5大会連続で4強入りした京産大(関西2位)は明大(関東対抗戦1位)と対戦する。フィジー出身のエロニは「試合前は(故郷の)お母さんに電話をする。家族のために頑張りたい」と明かした。
中学時代に日本の高校から誘われた際、背中を押してくれたのは父だった。「スカウトをされた時にお父さんも一緒にいて『チャンスがあるのなら行きなさい』と言われて、その場で決めました」。元ラグビー選手だった父は、エロニが高2の時に病気でこの世を去った。「まだコロナ禍で国に帰れませんでした」。最期に会うことも、葬儀に出ることすらもできなかった。
来日直後は日本語を話すことができず、ホームシックになったという。遠い故郷で活躍を楽しみにしている家族へ、全力でプレーすることが恩返しになると信じている。日本に慣れるために必死に勉強し、今は流ちょうな日本語で「夢は日本でプロになることです。日本代表を目指しています」と真剣に話した。
昨季準決勝も先発出場したが早大に19-31で完敗。「(早大戦は)悪いプレーばかりで何もできなかったです。次の明治は動画を見るとスキル(技術)はうまいけど、フィジカルは自分もいける。後練(練習後の自主練習)でタックルをめちゃくちゃやっています」。
今季、明大とは5月の京都ラグビー祭で22-21で勝利するも、8月の菅平合宿は24-67の敗戦。フィジー出身の心優しき男は、亡き父へ、勝利を届ける決意だ。
【全国大学ラグビー選手権大会・準決勝 1月2日、国立】(第1試合)
早大(対抗戦3位)-帝京大(対抗戦4位)
(第2試合)
明大(対抗戦1位)-京産大(関西2位)





