鍵山悔し…逆転負けで2位 五輪前哨戦またマリニンの壁 4回転3本着氷は「すごく大きい」
「フィギュアスケート・GPファイナル」(6日、IGアリーナ)
男子はフリーで238・24の世界最高得点をマークしたイリア・マリニン(21)=米国=が逆転で3連覇を達成した。SP首位の鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が2位、佐藤駿(21)=エームサービス・明大=は3位だった。五輪代表は19~21日の全日本選手権(東京)で決まる。
圧倒的な得点で首位発進したSPから、フリーは及第点の演技に苦笑いだった。鍵山がマリニンに逆転負けで2位。「今の率直な感想としては悔しい」とは言ったが、組み込んだ4回転3本をきっちり着氷したことには「すごく大きい」と納得の表情。収穫と課題のファイナルとなった。
冒頭から4回転サルコーを着氷した。しかし、その後のジャンプは2つで減点。目標としていた今季世界2人目の300点台には乗せたが、「ショートが良かったが故に、フリーもそろえるチャンスだった。もっといける」と伸びしろを模索していく。
会場が“鍵山ワールド”と化した5日のSP。22年北京五輪以来4年ぶりに自己ベストを更新し、マリニンに14点差をつけて首位発進した。「4年間高い高い壁に阻まれてきた」と、苦しい時間は長かったが、殻を破った。
出番の前にマリニンが4回転6種類7本を全て成功させたことは「自分の前の前くらいからすっごい(歓声が)聞こえてきて…」とアップルームからも雰囲気で感じていた。それでも「この流れに乗っていけるように頑張ろう」と前向きに臨んだ。周りを気にしてきたこれまでとは一変。得点は届かなかったが、ライバルの奮闘さえ力に変えた。
ここから切り替え、優勝すれば五輪代表入り確定の全日本選手権へ向かう。「本当に全力でやるしかない。自信を持ってやっていきたい」。必ず五輪切符を手に入れ、ミラノで借りを返す。
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