関脇安青錦が初賜杯!優勝決定戦で豊昇龍撃破 最速大関昇進確実に ウクライナ出身力士初の優勝 来日3年で超スピード出世「師匠が言ってることをしっかりやってきた結果」

 「大相撲九州場所・千秋楽」(23日、福岡国際センター)

 関脇安青錦が優勝決定戦で横綱豊昇龍を下し、初優勝を飾った。ウクライナ出身力士では初。歴代4人目となる新関脇での栄冠で、来場所の大関昇進を確実にした。初土俵から所要14場所での大関昇進は年6場所制が定着した1958年以降1位(付け出し除く)の琴欧州の同19場所を大幅に上回り最速となる。

 横綱の鋭い立ち合いを受け止め、前に出ると、素早く背後をとって、送り投げで土をつけた。これで対豊昇龍は4連勝とした。

 所要14場所での初優勝は歴代2位のスピード。21歳8ケ月での優勝は歴代4位の年少記録となった。

 本割では大関琴桜を下し12勝3敗で、横綱豊昇龍との優勝決定戦に持ち込んだ。3敗で豊昇龍、安青錦とともに賜杯争いトップに並んでいた横綱大の里が左肩鎖関節脱臼により千秋楽を休場。結びの一番で大の里と対戦予定だった豊昇龍が不戦勝となり、安青錦が琴桜に敗れれば、相撲を取らずに優勝が決まる異例の事態となっていたが、意地の勝利で回避。そして横綱を破り、初の賜杯を手にした。

 安青錦は優勝インタビューで「素直にうれしいです。自分らしく下から相撲を取れたらいいなと思って臨みました。決定戦、もちろんいつも緊張してる。自分らしい相撲がとれてよかったです」と淡々と語りながら、優勝決定の瞬間の歓声については「あんまり信じられなかったので、聞こえなかったです」と少しほほ笑んだ。3年前の来日から一気の出世。「師匠が言っていることをしっかりやってきた。その結果」と語り、新入幕から5場所連続2桁勝利の要因についても「自分でもあんまりよく分かってない」と率直に明かした。大関昇進も確実に。「うれしいですけど、もう1つ上の番付がある。それを目指していきたい。今場所に負けない結果を出せるように頑張ります」と、見据えた。

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