どうなる箱根駅伝 勢力図は?駒大の層厚さ光るも5強混戦 鍵は山区間 青学大・原監督は3連覇自信「メド立っている」中大藤原監督も「自信ある」早大“名探偵”工藤好調で往路V射程

 「全日本大学駅伝」(2日、熱田神宮~伊勢神宮=8区間106・8キロ)

 大学三大駅伝の第2戦が行われ、駒大が5時間6分53秒で2年ぶり17度目の優勝を飾った。5位に終わった初戦出雲駅伝からの巻き返しに成功。3大会ぶりの優勝を狙う来年1月の箱根駅伝に弾みをつけた。中大が2分1秒差の2位、青学大が2分35秒差の3位、初戦の出雲駅伝覇者で連覇を狙った国学院大は4位、早大が5位と前評判の5強が上位を占め、箱根駅伝に向けて勢力図が浮かび上がってきた。

 駒大の強さが際立った一戦となった。1区~8区まで全員区間5位以内にまとめる安定感で圧勝。当日変更で5区に投入された主力の伊藤蒼唯(4年)が区間新記録の走りで3人を抜き、そのまま独走。23年に創価大の吉田響がマークした記録を17秒更新し、2位国学院に52秒差をつける快走で、一気にレースの主導権を握った。恥骨の骨折の影響もあり、出雲駅伝を欠場したエースの佐藤圭汰(4年)も、仕上がり途上の中で貫禄の走りで区間3位にまとめ、アンカーの山川拓馬(4年)も区間3位で逃げ切った。

 藤田監督は「自分たちのやりたかったレースができた。箱根には繋がった」と納得の表情。「力ある子たち残してきている。総合力として戦う時に楽しみ。4年生頼もしかった。この優勝は嬉しいが、次考えると、この4人抜けると大変だなと思う」と率直に明かしながら、「箱根は別物。まだわからない。上り下りを作んないと勝てない」と気を引き締めた。大八木総監督は佐藤について「まだまだ本調子ではない。スタミナが足りなかったが、無難に走ってくれた。箱根にもいい感じでいける」と評価した。

 出雲駅伝7位から意地をみせたのは3位の青学大。前半4区までで8位と出遅れたが、ジワジワと追い上げ、7区のエース黒田朝日(4年)の区間新激走で一時2位まで浮上した。原監督はレース後「エースがエースの走りをしてくれたので、形は作れました。出雲の大惨敗から形は作れた。箱根に向けてレベルアップできる。箱根は私ども勝ちますよ」と評価した一方で、「黒田朝日に渡る前が駅伝をしてない。そこが箱根へ課題が残った。力は決してない」と総括した。ただ、直近11年で8度箱根を制している箱根巧者は、距離が倍となる10区間の正月決戦に自信。指揮官は「駒澤、国学院、青山、中央の4強。これが箱根で戦うんだと思う。特に箱根は青山だな」とニヤリ。「ピーキング能力。たまたまと言われるが、たまたまで11年で8度も優勝できない。我がチームの箱根への持って行き方はそれなりのノウハウを持っている」と語り、近年5区を担当していた若林宏樹、今年6区で区間新をマークした野村昭夢が卒業した影響についても「山上り、下りのある程度のメドが立っている。箱根では昨年なみの記録を狙ってチャレンジしたい」と、うなずいた。

 同じく優勝候補筆頭とされた出雲駅伝でのまさかの10位から巻き返した中大の藤原監督も箱根へ自信を深めた様子。初優勝こそ逃したが、20年ぶりの2位。この夏は例年よりも走る距離を大幅に増やし、箱根を見据えてきただけに「やってきたことは間違っていないラインにはきている。箱根に向けて変えるならここだと思ってやってきた。今までと同じだと2位で終わるからと」と語り、「山は自信あります」と、キッパリと言い切った。

 国学院は今大会は競り負けたが、3区の野中恒亨(3年)が出雲に続いて快走の区間賞。4年生を中心に層の厚さが光る。出雲2位の早大は1年生が鍵を握るが、箱根の5区が濃厚の“山の名探偵”工藤慎作(3年)が今大会アンカー8区で他校の主力を抑え、区間賞を獲得するなど好調。絶対的な武器を保持しており、往路は優勝を射程圏に入れる。

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