三木つばき 8歳からの夢・五輪金メダルをかなえる 小3から毎冬泊まり込みで猛練習「五輪で優勝することが恩返し」
2026年2月6日のミラノ・コルティナ冬季五輪の開幕まで、29日で100日。22年北京五輪スノーボード女子アルペン代表で、25年世界選手権パラレル回転優勝、パラレル大回転準優勝の三木つばき(22)=浜松いわた信用金庫=が27日までにデイリースポーツのインタビューに応じ、2度目の夢舞台に臨む心境と意気込みを語った。スピードスケート女子では、五輪2大会連続金メダリストの高木美帆(31)=TOKIOインカラミ=が、2大会連続銀メダルの1500メートルで悲願の頂点を目指す。雪と氷の金メダル候補が、イタリアに歴史を刻む。
8歳から思い描いた夢をかなえる時が来た。自身2度目の五輪へ向けて、三木は「小さいころからずっと目標にしてきた金メダルを必ず持って帰りたい。五輪で優勝することが応援してくださっているスポンサーさん、サプライヤーさんへの恩返しになる」と闘志をにじませた。
長野県白馬村生まれ、静岡県掛川市育ち。全日本テクニカル選手権で優勝経験のある父の影響で、4歳から板に乗り始めた。好奇心旺盛でパラレル種目を経験したのは自分がきっかけ。ゲレンデでレースを見て「なんか試合してる!出たい!って言った。旗の外を速く滑ればいいんだね?ってルールは分かっていなかったけど、ハマっちゃった」。6歳で出場した小学生部門の草レース。デビュー戦は3位だった。
転機は8歳。父と一緒に訪れた国内イベントで、W杯4季連続総合王者のマチュー・ボゼット(フランス)の滑りを見た。世界トップのスピードとダイナミックな滑りに圧倒され、すぐに憧れた。「こんなに速く滑れるんだ…私も世界一速く滑りたい」。少女の夢が五輪金メダルに決まった。
思いつきの発言ではなく意志は固かった。小学3年から毎冬、雪山近くのペンションに丸4カ月も泊まり込んで猛練習。ゲレンデ営業開始の8時半から営業終了の午後4時半を基本に、時にはナイターまで滑り込んだ。
小学6年でプロ資格を取得し、15歳から海外転戦を開始。21~22年シーズンで初めてW杯の表彰台に立つと、22年には北京五輪に初出場した。9位だったが、翌年の世界選手権ではパラレル大回転で初優勝。25年大会では五輪2連覇中のエステル・レデツカ(チェコ)を抑えて非五輪種目のパラレル回転を制し、大回転では2位に入った。
五輪に乗り込む準備は整った。現在は12月のW杯開幕に向けて海外で調整中だ。「五輪優勝でしか得られないものがあると思う」。イタリアの地で開催される冬の祭典まで残り100日。幼い頃から憧れた景色を必ず見てみせる。
◇三木つばき(みき・つばき)2003年6月1日、長野県白馬村出身。父の影響で4歳からスノーボードを始めた。小学6年でプロ登録し、中学3年で国際公式戦シニアとしてデビュー。初出場の22年北京五輪パラレル大回転では9位に入った。世界選手権では2023年大会のパラレル大回転で金メダルを獲得。25年大会ではパラレル回転で優勝した。24~25年シーズンは、日本勢初のW杯総合優勝。173センチ。





