箱根駅伝 東海大つかんだ箱根路返り咲き 箱根駅伝の補助員参加「今年は東海大いないんだね」沿道の声に奮起
「箱根駅伝・予選会」(18日、陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園)
第102回箱根駅伝(26年1月2、3日)の出場権をかけたレースが行われ、42校が10枚の本戦切符をかけた戦いに挑んだ。予選会は各校10~12人が参加し、上位10人の合計タイムで争う。昨年ゴール直前でアクシデントがあり、14位で本戦切符を逃した19年大会優勝の名門・東海大は、10時間34分07秒の5位で、2年ぶり52回目となる本戦出場を決めた。
並んで大きく一礼し、箱根路への返り咲きをかみしめた。東海大は花岡寿哉(4年)が全体11位でゴールすると、8番手まで2桁順位を確保。5位で予選突破を決め、両角速監督は「トータルタイムを10時間35分に設定していた。やってきことを今日はしっかり出せた」とうなずいた。
前回大会はゴール直前でロホマン・シュモン(4年)が熱中症で倒れて無念の棄権となり、14位で本戦出場を逃した。その反省を生かし、今回は医学部の医師と連携。出走前の血圧や血糖値の測定、スポーツドリンクの摂取タイミングなど、熱中症の原因になり得る要素を徹底的につぶし、コンディションを調整した。この日、ロホマンはラストスパートをかけ、チーム6番手の87位でゴールして本戦出場に貢献。「走り切れてよかった」と笑みを浮かべた。
悔しさをあえて味わいに行った。両角監督の発案で、部員の大半が今年1月の箱根駅伝に補助員として参加。本来は知るべき場所に自分たちはいない。コースの警備に当たった学生は沿道から聞こえてくる「今年は東海大はいないんだね」との声にさらに悔しさがこみ上げた。もうこの気持ちは味わいたくない。予選会にかけるモチベーションはさらに高くなった。
本戦までは3カ月足らずだ。「この10年の箱根駅伝で優勝経験のある3校のうちの1つですけど、本戦に出るのにこれだけ苦しむのは箱根駅伝の厳しさを痛感する。シード権獲得を合言葉に強い意志で臨みたい」と両角監督。はい上がった名門が、箱根路で復活ののろしを上げる。





