紀平梨花 アイスダンス挑戦 西山真瑚との“りかしん”で再出発 狙うは26年ミラノ団体、30年仏五輪で個人出場
フィギュアスケート女子で全日本選手権2連覇などの記録を持つ紀平梨花(23)=トヨタ自動車=が29日、拠点のカナダからオンライン会見に臨み、アイスダンスに挑戦することを表明した。今年の冬季アジア大会銅メダルの西山真瑚(23)=オリエンタルバイオ=と新たにカップルを結成することを明かした。目指すは来年のミラノ・コルティナ五輪での団体戦出場と、30年フランス冬季五輪への個人出場。ケガに悩まされた日々から新たな挑戦に踏み出した。
新たな道を切り開き、“りかしん”として再スタートする。シングルを主戦場としてきた紀平がアイスダンス挑戦を表明。これからは西山と2人で銀盤を舞う。
「これまでの人生からは考えられなかった。ワクワクする大きなチャレンジになる。全力で頑張っていきたい」
21年に右足首を負傷。22年北京五輪を断念し、直近の2シーズンも試合出場を見送った。今季も中部選手権を欠場。同大会は来年のミラノ・コルティナ五輪の最終選考会となる全日本選手権の予選にもなっており、シングルでの五輪出場の可能性は消滅していた。
ケガでの苦悩の日々は「つらかった」というが、拠点のトロントで「(西山と)足の状況を話す機会があって、そこから一緒に滑ってみることになった」。ケガの完治はまだだというが、苦しい状況を打開する方法を模索してきた中に、光が差した。
リズムダンスは「Mambo No.5」、フリーダンスは「もののけ姫」のプログラムに決定したという。デビュー戦は12月の全日本選手権の予選会(11月1日開幕・大津市)の予定。全くの新種目に苦戦する部分もあったが「最近は少しずつ良くなっている状況」と笑った。
目指すは30年の冬季五輪出場だが、ミラノ・コルティナ五輪の団体戦出場も視野に入れる。「可能性がある限りは諦めず、どのチャンスも使っていけるように努力したい」。長いトンネルを抜け、最高の結果をつかんでみせる。
◇紀平 梨花(きひら・りか) 2002年7月21日、兵庫県西宮市出身。154センチ。5歳でスケート教室に姉と参加したのがきっかけで始める。17年ジュニアGPファイナルでトリプルアクセル-3回転トーループの連続ジャンプを国際スケート連盟公認大会で初めて成功。シニアデビューした18-19年はGPファイナルを制覇するなど国際大会6連勝。19-20年は4大陸選手権で2連覇。20-21年は全日本選手権2連覇を達成した。
◇西山 真瑚(にしやま・しんご)2002年1月24日、東京都出身。早大を経て、現在はオリエンタルバイオに所属。拠点は羽生結弦らと同じカナダ・クリケットクラブ。「あずしん」こと、田中梓沙とのカップルで今年2月の冬季アジア大会で銅メダルを獲得したが、7月に解散した。
◆アイスダンス 男女2人1組となって、リズムダンス、フリーダンスの総得点で競う種目。ペアとは違いジャンプの技はなく、リフトや表現力、一体感などが評価対象となる。北京五輪出場を目標に20-21年に結成した“かなだい”こと、高橋大輔、村元哉中組が話題となった。




