横綱初優勝の大の里、勝因は本割の負けからスパッと切り替え 豊昇龍と横綱の責任は果たしたと言っていい 武蔵川親方が評価

 「大相撲秋場所・千秋楽」(28日、両国国技館)

 大の里が横綱同士で16年ぶりとなる優勝決定戦を制し、昇進後初優勝を飾った。本割では豊昇龍に押し出されるも、決定戦は寄り倒して、2場所ぶり5度目の優勝を果たした。日本出身力士の年間3度優勝は1997年の横綱貴乃花以来となった。先場所の悔しさを糧に、故郷石川県が生んだ横綱輪島と同じ、昇進2場所目での賜杯。「東西横綱が引っ張って9月場所は盛り上がったんじゃないか」と胸を張った。デイリースポーツ評論家で元横綱武蔵丸の武蔵川親方は両横綱について「横綱の責任は果たしたと言っていいと思う」と評価した。

  ◇  ◇

 大の里は本割の負けから、スパッと気持ちを切り替えたのが良かったね。本割は中途半端で、完全に自分の立ち合いのミスだから、余計に切り替えやすかったんだ。

 優勝決定戦の立ち合いは五分五分。でも、その後、右のかいなを返して、思い切って前に出た。あそこでひと呼吸、待たずにいったのが正解だったね。相撲の流れとしては、白黒がどっちに行ってもおかしくなかった。それでも、少しだけ大の里が流れ的に上回ったな。

 新横綱の先場所は内容的にも全然、物足りなかったけど、今場所は内容もいいし、良かった。負けた豊昇龍も全体的に内容は良かったし、横綱の責任は果たしたと言っていいと思う。横綱同士が来場所以降もこういうふうに場所の最後を締めていってほしいね。(元横綱武蔵丸=本紙評論家)

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