国技館どよめき、怒声も?豊昇龍、変化で1差死守「今日は勝ちにいった」トップ大の里は不戦勝、八角理事長は擁護「お客さんには申し訳ないが」
「大相撲秋場所・14日目」(27日、両国国技館)
横綱豊昇龍(立浪)が立ち合いで変化し、若隆景(荒汐)をはたき込みで下し、12勝目を挙げてトップと1差の2敗を死守した。首位の横綱大の里(二所ノ関)は不戦勝で1敗(13勝)をキープ。千秋楽は、優勝争いで1差の横綱同士による直接対決になった。
国技館が異様な空気に包まれた。まずは大関琴桜の休場が発表され、観客からため息が漏れると、続いて対戦相手の大の里の不戦勝がアナウンスされ、また「え~」とため息。さらに結びの一番で、豊昇龍が立ち合いで変化してあっけなく勝負がつくと、観客席はどよめきに包まれ、その中には怒声も混じった。
豊昇龍は取組後「今日は勝ちにいきました」と振り返り、「(大の里の不戦勝は)気にしなかった。残り一番あるので、しっかり集中していきたい」と直接対決に備えた。
八角理事長(元横綱北勝海)は横綱の変化について、「必死さでしょう。どうしても(優勝争いをしたまま)明日にいきたいという。必死さが伝わってきた」と擁護。結果的に大の里も不戦勝という形になったが、「お互いが横綱として初優勝(が懸かる)、こういう形になった。今日来たお客さんには申し訳ないけれど」と理解を求めた。
高田川審判部長(元関脇安芸乃島)も、結びの一番について「あっけない相撲だったが、(豊昇龍は)最初から狙ったわけじゃなく、強いて言えば冷静だったんだと思う。そんなに(大きく)変化したというより、ちょっとずらして上手を取りにいって、勝負あった。勝負は一瞬だったが、そこが横綱と若隆景の力の差だった」と評した。





