正代が7勝目 宇良との1敗対決制した!縁起のいい秋場所で存在感 20年コロナ禍に初優勝 一気のV字ジャンプで祝杯今度こそ
「大相撲秋場所・8日目」(21日、両国国技館)
平幕の正代が宇良との1敗対決を上手投げで制し、7勝目を挙げた。5年前に優勝と大関昇進を決めた秋場所で、元大関が久々に存在感を発揮している。両横綱は安泰。豊昇龍は豪ノ山を押し出して自身初のストレート給金を決め、大の里は平戸海を押し出し1敗を守った。大関琴桜は小結高安の下手投げに屈し、3敗目を喫した。大関とりに挑む関脇若隆景は熱海富士を寄り切り5勝目。隆の勝を加えた3人が1敗で豊昇龍を追う。
正代が久々に元気だ。立ち合い、かち上げて左を差して前に出た。頭を左脇に入れられ、宇良に反り技を狙われるも、冷静に後退しながら、引き落とすような上手投げを決めた。
1敗対決を制し、7勝目。「相手の形だった気がする。前に出ていたら危なかった。無理に出なかったのは良かった」と振り返った。好調要因の立ち合いを「入られたので、鋭い感覚はない」と厳しく自己評価した。
2020年に初優勝と大関昇進を果たし、縁起のいい秋場所。当時は中日6勝2敗から7連勝を決めた。今年は中日の勝ち星が一つ多い。2度目の優勝について水を向けられても「全然意識していない。あの時は上位戦が組まれた後なので」と意に介さなかった。
気の毒な初優勝だった。当時はコロナ禍の真っ最中。「全然わいわい騒いでいない。優勝旗を持って帰っただけ。撮影もなかった」と述懐した。支度部屋で賜杯を抱き、親族や後援者と納まる記念写真は存在しない。
大関は13場所務め、22年九州場所後に陥落。大相撲は他競技と比べコロナ対策が厳しく、昇進パーティーは陥落直前の22年10月にようやく開催。昇進後は成績が安定せず、5度目のかど番で迎えたこともあって、祝賀ムード一色ではなかった。
前頭2桁台の番付が増えてきた33歳。一気のV字ジャンプへ機運を高めたい。





