ゆなすみ ペア3位で出場枠獲得 森口澄士「諦めず最後まで強い気持ち」で逆転劇 五輪初代表近づく
「フィギュアスケート・ミラノ・コルティナ五輪最終予選」(20日、北京)
ペアの長岡柚奈(20)、森口澄士(23)組=木下アカデミー=が合計178・66点で3位に入り、今大会で3枠与えられる国・地域別出場枠を獲得した。ショートプログラム(SP)4位で迎えたフリーは3位と巻き返した。日本は3月の世界選手権で三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が優勝して1枠を得ており、2組出場は史上初。五輪代表は12月の全日本選手権(東京)で決まる。日本の男子と女子は3月の世界選手権で最大3の五輪枠を確保したため、今大会は出場しない。
1組を残して出場枠獲得が決まった瞬間、愛称「ゆなすみ」ペアは涙を流して抱き合った。それまで失意で顔面蒼白(そうはく)だった長岡は「思い通りの演技ができず、不安だった」。気丈に振る舞ってきた森口も「恐怖の気持ちで戦っていた」と本音が漏れた。圏外のSP4位から3枠に滑り込み、五輪初代表にも近づいた。
森口が長岡を持ち上げて滑るリフトは、抜群のスピード感で大きな加点を獲得。演技点2位と表現面も高い評価を受けた。一つのミスから崩れた昨季までの姿はない。「諦めず、最後まで強い気持ち」(森口)で逆転劇につなげた。
札幌市出身の長岡は、森口の地元京都府にある木下アカデミーに拠点を移し、急成長を遂げた。初出場だった3月の世界選手権は22位で五輪枠に届かなかったが、自信を積み上げて最後のチャンスをつかみ取った。





