「大相撲秋場所・６日目」（１９日、両国国技館）

　平幕隆の勝が、先場所優勝の琴勝峰を押し倒し、５勝１敗とした。元関脇で優勝決定戦にも臨んだ実力者が、千葉県柏市出身の同郷対決を制した。両横綱は安泰で、大の里は熱海富士を寄り切り５勝目、豊昇龍は王鵬を下手投げで退け、唯一の無傷６連勝とした。大関琴桜は平戸海を小手投げで下し、５勝目を挙げた。大関とりに挑む関脇若隆景は豪ノ山を突き落とし、４勝２敗とした。

　一気に決めた。隆の勝は当たって左にいなし、振り返った琴勝峰をのど輪で攻めた。膝から崩れるように押し倒し、５勝１敗と星を伸ばした。「いなしから落ち着いて攻められた。周りがよく見えている」とうなずいた。

　燃えていた。「先場所負けているので、リベンジじゃないけれど、負けたくなかった」という理由に「地元が盛り上がるのはいいこと。でも当事者が自分でないのが悔しい」と加えた。

　５学年離れるが、同じ柏市出身で柏相撲少年団に在籍した後輩の琴勝峰は、７月の名古屋場所で平幕優勝し、柏市で優勝パレードを行うなど、地元の話題をさらった。隆の勝は昨年の名古屋場所で照ノ富士（現伊勢ケ浜親方）との優勝決定戦に敗れた。今年１月には「優勝したい」と誓っていた。悔しさが募った。

　関脇を経験した実力者。新入幕から６年で５回勝ち越す名古屋場所が得意で、残暑が続くことを「僕は暑い方がいい」と前向きだ。“おにぎり君”の愛称を持ち「白飯をよく食べています。お菓子や麺類よりは米です」と体調管理も万全。新年の誓いを果たす機運を、高めてみせる。