3000メートル障害・三浦龍司 快挙ならずも8位死守 2大会連続入賞 終盤猛追も失速「メダル見えた一瞬があった分悔しい」
「陸上・世界選手権・男子3000メートル障害決勝」(15日、国立競技場)
男子3000メートル障害決勝で三浦龍司(23)=SUBARU=が8分35秒90で8位に入った。2大会連続の入賞。女子3000メートル障害予選では斎藤みう(パナソニック)が9分24秒72で走り、17年ぶりに日本新記録を樹立。2008年7月に早狩実紀が出した従来の記録を9秒21縮めたが、決勝進出はならなかった。男子マラソンは近藤亮太(三菱重工)が2時間10分53秒で日本勢最高の11位。女子100メートル障害準決勝は福部真子(日本建設工業)、中島ひとみ(長谷川体育施設)がともに敗退した。男子110メートル障害予選で村竹ラシッド(JAL)、野本周成(愛媛競技力本部)は準決勝へ。泉谷駿介(住友電工)は落選。男子棒高跳びではアルマント・デュプランティス(スウェーデン)が従来の記録を1センチ更新する6メートル30の世界新記録を樹立して、3連覇した。
悔しさと感動が入り交じる東京世界選手権となった。三浦は終盤で猛追したが失速。8位入賞に「今までで一番手応えがあって、メダルが見えた一瞬があった。その分悔しさがすごく大きい」と振り返った。つかみかけた、この種目で日本勢初のメダルを手中に収め損ねた。
スタートから中盤を維持。スローペースで運び、ラスト300メートル付近から一気にスパートをかけた。3位まで上げたが、最後のハードルを越えた直線で一気に後退。予選からあった右足首の痛みが災いし、ゴール寸前で力尽きた。
自分でも「今までで一番いい状態」と言うほどの今季を過ごしてきた。世界最高峰シリーズ、7月のダイヤモンドリーグ・モナコ大会では、自身が保持していた日本記録を6秒以上も更新する8分3秒43をマーク。最高のコンディションに整え、メダルを目指した。
東京五輪で、日本勢初の7位入賞を果たしてから4年。再び世界の頂点を争う舞台が東京にやってきた。「オリンピック1期分の期間を経て、東京に世界陸上が来たのはすごい巡り合わせだと思う」。満足いく結果は得られなかったが、自国の爆発的な応援は大きな力。「観客の声が地響きかのよう。今までで一番最高」とかみしめた。
「残りの数十メートルだった。思うようにはいかなかった」。しかし「間違いなく手応えはある。この東京世界陸上から、また成長できるんじゃないかな」と確かな収穫もある。2028年のロサンゼルス五輪へ止まっている暇はない。
◇三浦龍司(みうら・りゅうじ)2002年2月11日、島根県出身。洛南高から順大に進学した。20年の箱根駅伝予選会では、大迫傑の持つハーフマラソンU20日本記録を更新する1時間1分41秒をマークした。男子3000メートル障害で、東京五輪は日本勢初の7位に入賞した。パリ五輪は8位に入賞。168センチ、57キロ。





