大の里 安青錦を圧倒 横綱になって初の国技館で規格外パワー発揮「初日勝てたのは大きい」
「大相撲秋場所・初日」(14日、両国国技館)
横綱大の里(25)=二所ノ関=は新小結安青錦(安治川)を寄り倒した。昇進2場所目で初めて東の正位に座り、2場所ぶり5度目、横綱として初の優勝へ白星発進した。横綱豊昇龍(立浪)は玉鷲(片男波)を渡し込みで退け、大関琴桜(佐渡ケ嶽)は阿炎(錣山)を押し出した。大関とりの関脇若隆景(荒汐)は伯桜鵬(伊勢ケ浜)に押し出され、黒星スタートとなった。
大の里が規格外のパワーを発揮した。立ち合いもろ手で突き放し、右下手を取り、押しつぶすように寄り倒した。所要12場所の史上最速新三役を記録した安青錦に何もさせなかった。
すずしい表情で「落ち着いていた。初日勝てたのは大きい」とうなずいた。昇進後初めての国技館を「やっぱり少し違いますね」と語り、東の土俵入り映像を確認した成果を見せ、取組外の仕事も問題なし。「自分でも落ち着いていると思う」と、先場所との違いを自覚した。
名古屋場所の11勝は、並の新横綱では及第点も、この男には物足りない。金星4つを配給し、師匠・稀勢の里、その師匠・隆の里からの3代連続新横綱優勝を逃した。場所後は「二度とないように反省したい」と語った。
5日の稽古総見で精彩を欠くも、6日の一門連合稽古で見違える動きを披露。白鵬ばりに短期間で仕上げる能力を持つ。昨年まで部屋付き親方として指導した中村親方(元関脇嘉風)は「大の里一強時代。圧倒的に優勝する。対抗馬がいない」と断言する。確かに初日の内容は圧倒的。大の里は「自分の相撲を信じて集中する」と言い切った。





