フォルティウスが涙の日本代表権獲得!「五輪に出たい」吉村が魂のラストドロー!数cm差劇的決着で最終決戦制し夢繫ぐ ロコに逆転負け4年前の雪辱 崖っぷちで驚異的執念

 「カーリング・ミラノ・コルティナ五輪最終予選代表決定戦」(14日、みどりスポーツパーク)

 女子決勝の第2戦が行われ、25年日本選手権覇者のフォルティウスは24年日本選手権優勝のSC軽井沢クラブを6-5で下し、1次リーグの結果も含めた直接対決の成績で3勝2敗で、五輪最終予選(12月、ケロウナ)の日本代表に決定した。最終予選では上位2チームに与えられる出場権獲得を目指す。

 意地と執念で五輪への夢を繫いだ。第1エンドはブランクで、第2エンドは2点獲得に挑んだが、ラストショットが決まらず1点にとどまった。

 すると第3エンド、相手に重圧をかける形を作ったが、SC軽井沢クのスキップ上野美が投じた最終投は外側のフォルティウスの石2つを経由する形でハウス中央へ。中央にあったナンバー2をはじだされ、ミラクルショットで2点を奪われた。それでも第5エンド、好展開を作ると、吉村が繊細なショットを決めきって3点を獲得。4-2で前半を折り返した。

 第9エンドに2点を奪われて、5-5で最終エンドに。有利な後攻で、最後は重圧のかかるドローを吉村が決め切り、1点を取りきった。

 数センチ差の決着。勝利が決まると、吉村はブラシを手に雄たけびとともにガッツポーズ。瞳には涙が滲んだ。

 吉村はインタビューで「いや~、うれしいです。はい。この試合は本当に緊張があって、途中お腹が痛くなったり、それでも自分の中でも自信になりましたし、こういった高い緊張の中でのプレーは自分のとってもチームにとってもいい経験になった。それぞれの強い思いが1つ1つのショットに出ていた」と、喜びを噛みしめ、ラストショットについても「最後も強い思いで投げた。オリンピックに出たい、そういう強い気持ちが。4年前ここで負けて、またスタートを切る時に強い覚悟をもって、4年間歩んできた。出場権を獲得し、目標である五輪で金メダル、に向かって頑張っていきたい」とうなずいた。

 1次リーグでは2連敗の崖っぷちから2連勝でタイブレークに持ち込み、1発勝負のタイブレークでは宿命のライバル、ロコ・ソラーレを下し、決勝に駒を進めた。前日の決勝第1戦でSC軽井沢クに敗れ、再び崖っぷちに陥った。それでもこの日午前の第2戦で勝利し、逆王手をかけ、最終決戦も制した。

 4年前の代表決定戦ではロコ・ソラーレに2連勝から3連敗で逆転負けだった。今大会は崖っぷちの状況では5戦5勝。夢舞台にかける思いが、宿敵とホープを上回った。

 これが5度目の五輪挑戦で、4度目の代表決定戦だった吉村。ついに鬼門を突破し、最終ステージ進出。日本カーリング界の未来を繫ぐ戦いに挑む。

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