尊富士が右腕手術で秋場所休場も、142年続く青森出身幕内力士が途絶える危機

 尊富士
 一山本(上)がはたき込みで尊富士を破る=7月19日
2枚

 「大相撲秋場所」(14日初日、両国国技館)

 幕内の尊富士(26)=伊勢ケ浜=が8月に右腕の手術を行っていたことが3日、明らかになった。秋場所出場は不透明で、1883年(明治16年)から続く、青森出身の幕内力士が途絶える可能性が出てきた。

 尊富士は「右上腕二頭筋腱断裂で2カ月の安静加療必要」の診断書を提出して名古屋場所13日目から休場。夏巡業も全休で、この日は軽い基礎運動にとどめた。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)は「この間手術したばかり。リハビリして、できるだけ早く復帰するように努力しています」と現状を説明。秋場所出場については「まだ。本人と話をして」としつつ「しっかり万全に治して。皆の期待に応える成績をね」と、無理はさせない意向を示した。

 茨城県の1982年から現在までの43年を大きく上回り、歴代1位の142年連続で幕内力士を輩出してきた青森県。尊富士は東前頭12枚目で唯一の青森出身幕内力士。全休となれば十両に番付を落とす。

 他の青森出身関取は東十両3枚目の錦富士、東十両12枚目の宝富士の2人。鏡里、初代若乃花、栃ノ海、2代目若乃花、隆の里、旭富士と6人の横綱が育った青森県。モンゴル勢の躍進など、大きな変化が長年続いている大相撲だが、また歴史が変わる節目が訪れるのだろうか。

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