新体操 団体日本がリボン銀 前夜団体総合で金、西本「もう一度欲しかったので、悔しい」 鈴木主将「落下なければ『金』」
「新体操・世界選手権」(24日、リオデジャネイロ)
種目別決勝が行われ、団体の日本は予選3位通過のリボン(鈴木歩佳、稲木李菜子、田口久乃、西本愛実、三好初音)で26・650点をマークし、銀メダルを獲得した。初制覇した23日の団体総合に続く表彰台。中国が27・550点で頂点に立った。予選トップだったボール・フープ(鈴木、稲木、田口、西本、花村)は27・350点で5位。ウクライナが優勝した。
個人はダリア・バルフォロメーエフ(ドイツ)がボール、クラブ、リボンを制し、個人総合を含めて4冠を達成。フープはソフィア・ラファエリ(イタリア)が勝った。
前夜の団体総合で頂点に立った日本に、銀色のメダルで喜ぶメンバーはもういなかった。西本は「メダルを獲得できてうれしいが、やはり「金」がもう一度欲しかったので、悔しい思いもある」と貪欲に話した。「金メダルが取れなくて悔しいと思うこと自体が、成長したなと感じる」と自分たちの現在地を確認。ここ数年の低迷で失いかけた自信を取り戻し、再建を世界にアピールした。
8チームで争った種目別決勝。「島唄」で踊ったリボンは、終盤に放り上げた手具をつかみ損ねるミスがメダルの色を分けた。25歳の鈴木主将は「落下がなければ『金』を取れた」と唇をかみ、16歳の三好は「ミスの重みが分かった」と振り返った。若手からベテランまで全員が「悔しい」と口にし、中には涙を流す選手もいた。
村田由香里強化本部長の威圧的指導問題は、選手の自主性を促す転機になった。西本が「自分たち発信で『こうやりたい』というのがあったから最後まで強く演技できた」と言えば、稲木も「これまでの努力は無駄ではなかった」と収穫を見いだし、「少し悔しさはあるが、このメンバーでやってきて良かったと思える演技だった」と充実感を漂わせた。3年後のロサンゼルス五輪へ、フェアリージャパン再出発の夏が幕を閉じた。





