新体操日本代表 指導問題など一連騒動から再出発 充実の石垣島合宿から帰京 鈴木主将「チーム一丸という感じがする」村田強化本部長「リスタートする場所として最適」
新体操日本代表が27日、沖縄・石垣島での強化合宿を終えて成田空港に到着し、取材に応じた。5月に発覚した威圧的指導や、男性トレーナーによるセクハラ被害を訴えた問題から、世界選手権(8月、ブラジル)でのメダル獲得に向けて再スタートを切った。
鈴木歩佳主将は「いろんな思いがありながらだったけど、世界で勝ちたい気持ちはずっと変わっていない。たくさんチームでコミュニケーションを取って、チーム全員が一丸となっている感じがある」と総括。村田由香里強化本部長も「普段の練習では得られない選手やコーチとのコミュニケーションを取ることができて、リスタートする場所としては最適だった。選手たちのことをしっかり考えて過ごすことができて、いつも以上に頑張りをみることができた」と振り返った。
ブラジル・リオデジャネイロで開催される世界選手権を迎えるに当たって、現地の審判や観客になじみのある演目を考えてきた。「日本の文化や曲を全面的に押していきたい」との狙いもあり、気候や人の温かさに共通点のある沖縄の音楽に決定。現地の雰囲気をより演技に落とし込むために沖縄合宿を計画していたところ、たまたま新競技普及を考えていた石垣市役所の関係者から声がかかり、今回の合宿が実現した。
現地では練習に加えて、多くのイベントにも参加した。小学生に向けた新体操の体験会や、自分たちの曲を披露する演技会を実施。また高校の吹奏楽部、郷土芸能、エイサーに取り組む方などとも交流し、沖縄民謡独特の手の動かし方、音の乗り方を学ぶことができたという。鈴木主将は「リボンの楽曲に島唄が入っている。沖縄の文化や自然を直接見て肌で感じたことは、演技に生かしていきたいし、世界中に島唄を届けたい」と気持ちを込めた。
この日は指導問題などの一連の騒動後、初めての取材対応となった。選手とコーチともに世界選手権に向け、気持ちは前を向いている。村田強化本部長は「来年の五輪枠を勝ち取るためにも重要な大会になる。メダルを取りにいきつつ、でも小さくまとまらずにチームとして最大限のレベルアップを目指していきたい」と意気込んだ。





