モニカ・セレシュさんが難病「重症筋無力症」告白 女子テニス四大大会9度V 啓発に一肌「非常に難しい病気」
女子テニスのシングルスで四大大会優勝9度のモニカ・セレシュさん(51)=米国=がこのほどAP通信のインタビューに応じ、3年前に筋力を維持できなくなる「重症筋無力症(MG)」と診断されたことを告白した。24日開幕の全米オープンを前に、認知度向上のため公表したもので「非常に難しい病気。日常生活に大きな影響がある」と胸の内を語った。
旧ユーゴスラビア生まれで、米国に移住。16歳だった1990年に全仏オープンを初制覇し翌年、当時史上最年少で世界ランキング1位となった。2009年には国際テニス殿堂入りを果たした。
MGは免疫が自分の体を攻撃する自己免疫疾患のうち、脳神経系に起きるものの一つで、脳の指令が筋肉に伝わらなくなる。日本では厚生労働省の指定難病で、セレシュさんは家族とのプレー中にボールが二つに見え「複視」の症状が出たという。腕の筋力低下もあり「髪を乾かすのが非常に困難になった」と吐露した。
93年にはドイツで試合中に暴漢に襲われ、2年以上競技から離れた。「(キャリアの)大きなリセットを余儀なくされた」という逆境を乗り越え、96年に全豪オープンを制覇。不屈の精神を示した選手生活に現状を重ね「私が子どもたちに指導で伝えているように、ただ適応するしかない」と病に向き合う覚悟を口にした。





