八村塁 “日本協会批判”に言及「ただ日本が強くなってほしいだけ」 世界の舞台目指す中高生らをキャンプで本格指導
米プロバスケットボールNBAレーカーズの八村塁(27)が世界の舞台を目指す中高生らを本格的に指導するキャンプが18日、名古屋市のIGアリーナで始まった。レブロン・ジェームズなど多くの実力者を指導した、レーカーズ元コーチのフィル・ハンディさんがメインコーチを務め、20日まで実施。最終日には選抜選手による試合が予定されており、八村が監督として指揮を執る。この日の会見では、キャンプ開催の経緯や込めた思いを明かし、これまでの日本協会批判にも改めて言及した。
日本バスケの成長を願うエース企画のトレーニングキャンプが始まった。八村が、3314人の応募から選ばれた153人の中高生に直接指導した。派手なプレーはなく、ハンドリング、シュートチャンスを作るためのコート内の動き方など3時間みっちり基礎中心。ただ、守備時の足の幅や上半身の角度、ドリブル時の細かいステップなど、全ての動きをNBA選手が意識するレベルの高さで伝えた。
八村は「ずっとキャンプをしたいと思っていた。子どもたちに夢のきっかけや、自信になるキャンプになってほしい」と開催意図を説明。参加した日本代表候補の16歳、白谷柱誠(ちゅそん)ジャックは「基礎を再認識できた。本場のバスケを意識していきたい」と充実の汗を拭った。
ユース時代から日の丸を背負ってきた八村。「僕は日本代表でバスケをやりたい、強くなりたいという思いでやっている」と語った。昨年は日本協会に「選手第一の精神が見られない。お金の目的がある」などと苦言を呈したが、全ては日本バスケの成長を願うからこそだった。この日は改めて過去の“協会批判”について言及。「最近、協会のやり方が、方針が違うんじゃないかと、ただ指摘しているだけ。日本代表が良くなってほしいのは心からの思い。ただ、日本が強くなってほしいだけ」と説明した。
17日に閉幕したアジア杯で日本は54年ぶりの優勝を逃し、8強にも入れなかった。2028年ロサンゼルス五輪出場に向けて、厳しい戦いになることは間違いない。「世界トップレベルのキャンプにしたい」。世界の第一線を知るからこそのアプローチで、日本の成長に影響を与えていく。





