兄・智和も怒り「許せない」張本美VS早田ひな戦メディカルタイムアウトに言及 妹に寄り添い「己を強くするしかない」

 「卓球・WTTチャンピオンズ」(10日、横浜BUNTAI)

 男子シングルス準々決勝が行われた。昨夏のパリ五輪代表で、世界ランク4位の張本智和(トヨタ自動車)は、同9位の向鵬(中国)を4-2で下し、4強入りを決めた。

 試合後は、9日に行われた早田ひな-張本美和の女子2回戦に言及。物議を醸しているメディカルタイムアウト時に、自陣のコーチが治療したことについて、「許せないと思う」と怒りをあらわにした。

 9日の女子2回戦。張本美と早田の日本人対決となり、大接戦の末にフルゲームに突入した。ただ、4-2と張本美がリードしたタイミングで、早田が負傷していた左腕の治療を受けるためにメディカルタイムアウト。そこで治療に当たったのが、大会ドクターではなく、トレーナーでベンチコーチでもある岡雄介さんだった。5分以上の中断の末に試合が再開。流れを失った張本美は敗退した。試合後は「大会の治療する方がいた中で、自分のコーチが治療したことはすごくすごく疑問。アドバイスもできるかもしれない」と問題提起し、大号泣していた。

 張本智は、この試合を中継で観戦し、「見ていて涙が出るくらい僕も悔しかった」。この日の中国選手との準々決勝では、激闘で両足がつりかけ、メディカルタイムアウトを取る選択肢はあったが、「できるだけメディカル(タイムアウト)は使いたくなかった。絶対に使わないと(決めていた)」と固く誓っていたという。

 大会ドクターではなく、チームコーチが治療することはルール上は問題がない。ただ日本人対決で互いにベンチコーチがいない状況下での、コーチの治療は不公平感がいなめなかった。張本智は「メディカル兼コーチかもしれないので。あそこはナショナルチームの中立したマスターがやるべき。会話をしていなかったとしても、(助言を送ったと)疑われてもおかしくない。お父さんが美和のマッサージをしてるようなもの。会話をしていなかったとしても、妹は疑念のまま試合を続けた」と意見をぶつけた。

 最後は妹・美和の気持ちに寄り添いつつ、エールを送った。「安い授業料だと思う。これが世界卓球、五輪じゃなくてよかった。今回で学べるならプラスだと思う」とし、「妹に言いたいことは1つだけ、己を強くするしかない。ルールは守ってくれない。どんな状況でも勝つんだ、と。理不尽だろうが理不尽じゃなかろうが、乗り越えてこそ真のチャンピオン。それは僕にも言えること。相手はなんでもしてくる」と語った。

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