豊昇龍 3日連続金星配給 左足親指痛で休場ピンチ 4日連続なら94年ぶり不名誉記録 報道陣を手で払い取材に応じず
「大相撲名古屋場所・4日目」(16日、IGアリーナ)
横綱豊昇龍は阿炎に押し出され3日連続、新横綱大の里も王鵬に押し出され自身初めて金星を許した。東西2横綱の番付でそろって金星を配給するのは、2020年初場所3日目の白鵬と鶴竜以来。豊昇龍は左足親指の状態が悪い様子で、新横綱場所だった今年春場所以来の休場危機に陥った。大関琴桜は若元春を寄り切り2勝2敗とした。無傷4連勝は早くも関脇霧島、玉鷲、一山本、御嶽海の4人のみ。4年ぶりに東西の横綱がそろったが、混戦模様だ。
力ない足取りで花道を引き揚げる姿が痛々しかった。豊昇龍が平幕相手に泥沼の3連敗。1勝3敗と賜杯が遠のくだけでなく、昨年春場所の照ノ富士以来となる3日連続となる金星配給だ。昇進3場所で8つ目は1998年九州場所の3代目若乃花以来。綱の権威が損なわれる事態となった。
立ち合いから阿炎の突き押しにズルズルと後退。土俵を割る際は右腕を必死にたぐり、一時は自身に軍配が上がったが、左かかとが土俵の外についており、行司差し違えで敗れた。支度部屋では報道陣を手で払い、取材には応じなかった。
初日に苦手の高安を下したが、2日目に得意の若元春に敗れ暗転。八角理事長(元横綱北勝海)は「若元春に負けた一番が大きい。勝てる相手に負けて、流れが悪くなっている。動きで勝つ人は、調子が上がるまでが難しい」と指摘。「気持ちしかない。いいときは気持ちが強いけど、悪い時にね」と奮起を促した。
場所前に伊勢ケ浜部屋に出稽古した際、左足親指を負傷。取組前に師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「痛めていたけど、大丈夫と言っていた。(治療は)昨日も行った」と不安を認め「力が入りすぎている」と語っていた。
5日目の相手は平幕の王鵬。4日連続で金星を配給すれば1931年宮城山以来94年ぶりの不名誉記録となる。豊昇龍は少し左足を引きずり、さみしそうに会場を後にした。





