「陸上・日本選手権」（５日、国立競技場）

　世界選手権東京大会（９月、国立競技場）の代表選考を兼ね、女子４００メートル決勝が行われた。日本国籍を取得したフロレス・アリエ（２１）＝日体大＝は５３秒３１で３位に終わった。初出場初Ｖはならなかった。

　寺本葵（天理大）が５３秒１４で優勝した。

　フロレスはスタートから一つ外を走る前年覇者の松本奈菜子（東邦銀行）を追う展開。最終コーナーを回り直線で寺本と松本を追いかけたが伸びなかった。

　初めて臨んだ日本選手権を終え「やっと終わった解放感。ふくらはぎも気になり始めちゃってそこに集中し過ぎたけど、走り切ったことは良い経験になった」と振り返った。

　この日は初めて家族が観戦したといい「特別な大会になった」とも。「次の大会から青木になる。お父さんの家族に青木がついていたんで。新しい自分を見せられたら」と話した。

　フロレスは父が日本とペルー、母はペルーとイタリアにルーツを持ち、自身は静岡県で生まれ育った。５月の静岡国際では、日本記録を上回る５１秒７１をマークして優勝。当時はペルー国籍だったため、日本記録更新とはならなかったが、一躍注目を集めた。

　６月には日本国籍を取得し、日本選手権の出場資格を得た。４日の予選では５３秒４８の全体２位で決勝進出。６月上旬に右手人さし指の骨折したことを明かしつつ、決勝に向けて「走り切れたら満足。状態は５０～７０％。しんどい状態」と語っていた。