橋本聖子JOC新会長「国会議員ではあるが元々はオリンピアン」議員との両立にも意欲 裏金問題もきっぱり否定「一点の曇りがあるなら立候補していない」

 日本オリンピック委員会(JOC)は26日、都内で評議員会と臨時理事会を開いて役員の改選を行った。新会長は、夏冬合わせて日本女子最多7度の五輪に出場し、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を務めた橋本聖子氏(60)に決定。任期は2年で、初の女性トップとなる。

 史上初の投票で決まった。自薦で橋本氏と、日本サッカー協会(JFA)前会長の田嶋幸三氏(67)、他薦で前副会長の三屋裕子氏(66)の計3人が立候補。それぞれが会長職への抱負を述べ、他の理事が質問して議論する形式で進行した。出席した理事29人による複数回の投票の末に、最後は決選投票で橋本氏に決まった。カースティ・コベントリー氏が、国際オリンピック委員会(IOC)女性初の会長となったことが立候補の決め手だったという。

 会見に出席した橋本氏は、「初めての女性会長という大変光栄な任に就かせていただくことになった。身を引き締めて、初心を忘れずに業務を遂行したい」と所信表明。「政治家がやっていいのか、やるべきなのか、さまざまな意見があったことは承知している。けど私は国会議員ではあるが、元々はオリンピアン。JOC会長の立場で仕事をやり遂げていくことも、政治家としての私自身の仕事であるという風に思っている。この後の選挙で結果はどのようになるかは分からないが、もし再任を許されるなら、どちらの業務もやり遂げたい。それができる覚悟のもとで、今回JOC会長にも立候補させていただいた」と、会長職と参院議員との両立にも意欲を示した。

 裏金問題についてもきっぱりと否定した。理事会では他の理事に説明して疑惑を説いた上で、立候補の表明を行ったという。「つまびらかに記載をし、そして収支報告書を総務省に提出をしていた。そのことが検察からも認められ、不起訴処分の形も取られている。明確に裏金はなかった、不記載ではなかったということが検察から認められているので、その部分は自信を持って最初に説明をさせていただいた。もしそういった一点の曇りがあるなら、私は立候補していないし、国会議員としての立候補も難しかったのではないかなと思っております」と語った。

 2019年から会長を務め、3季目の2023年10月から頸椎(けいつい)損傷で長期療養している山下泰裕氏(68)は本人からの申し出があり、任期満了で退任。会長以外の業務執行理事は7月に行われる理事会で決定する。

 ◆橋本聖子(はしもと・せいこ)1964年10月5日、北海道出身。64年東京五輪の直前に生まれ、聖火にちなんで「聖子」と名付けられた。3歳でスケートを始め、冬季五輪は84年サラエボから4大会に出場し、92年アルベールビルでは女子1500メートルで銅メダル。夏季五輪も自転車で3大会に出場し、冬夏計7度出場。96年の引退後は、日本スケート連盟会長やJOC強化本部長などを歴任した。95年参院選比例区で自民党から出馬し初当選し、19年9月の安倍改造内閣で初入閣。現在は参院議員。東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長も務めた。

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