国士舘大が会見で謝罪 名門柔道部1、2年生部員6人が大麻使用の疑い 田原学長「深くおわび」無期限活動停止、全日本学生優勝大会は出場辞退へ

 記者会見で謝罪する国士舘大の田原淳子学長(右)
 記者会見する国士舘大の田原淳子学長
 記者会見で謝罪する国士舘大の田原淳子学長(中央)ら
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 国士舘大が20日、都内の世田谷キャンパスで急きょ会見を開き、田原淳子学長、熊迫真一学長室長、武井幸二学生部長、美納淳一スポーツプロモーションセンターサブチーフ・スポーツ・ディレクターが登壇した。柔道部の複数の男子部員が大麻を使用するなどした疑いがある不祥事について謝罪した。田原学長が「学内関係者のみなさま、地域社会の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことにつきまして深くおわびを申し上げます。重く受け止め警察の調査に全面的に協力しています。本学ではこれまでにも違法薬物使用に関する注意喚起、啓発活動を繰り返し実施してまいりました。しかし、それが全学生の1人1人の意識まで充分に浸透していなかったということは誠に残念で、教育機関として深く反省しています」と頭を下げた。部は無期限の活動停止となり、通算7度制覇している大学日本一を決める全日本学生優勝大会(28、29日、日本武道館)の出場を辞退する意向も発表した。

 国士舘大によると13日に寮内の学生から「部員数名が大麻を吸っている」と情報提供があり、14日に部員に聞き取りを行って警視庁に相談。同日付で部を活動停止にした。16日には警視庁が、麻薬取締法違反の疑いで東京都町田市のキャンパス内にある学生寮を家宅捜索。捜査関係者によると、部員らは吸ったことを認めているという。大学によると使用は寮の柔道部員の一室。対象部員は6人で、16日以降から登校停止中。大学によると大麻を使用したのは1、2年生の6人(1年2人、2年4人)だという。田原学長によると、監督、コーチは「全く把握していなかった。情報提供で知った」と話しており、今後の措置について「全容解明を優先。これから十分な検討をしていきたい」とした。

 国士舘大柔道部は、全国屈指の強豪として知られる。1984年ロサンゼルス、88年ソウル五輪95キロ超級金メダリストの故斉藤仁さんや、2004年アテネ五輪100キロ超級覇者で日本男子の鈴木桂治監督、2008年北京五輪同級金メダルの石井慧や、アテネ、北京両五輪を2連覇した内柴正人らを輩出。パリ五輪には斉藤さんの次男の立(JESエレベーター)が出場した。大学日本一を決める全日本学生優勝大会は史上4位の7度制覇を誇る。現在の全日本柔道連盟の強化選手には、1年生を含めた男女7人の現役学生が名を連ねている。

 ◆これまでの国士舘大柔道部における不祥事の流れ

 ▽6月13日 「部員数名が大麻を吸っている」と情報提供。

 ▽同14日 当該部員に聞き取り調査を行い、警察に相談。柔道部を活動停止とした。

 ▽同16日 瀬野隆理事長を本部長、田原淳子学長を副本部長とした「危機対策本部」を設置し、事実調査と今後の対応を協議。当該学生6人が立ち会いのもと、町田警察が麻薬取締法違反の疑いで、東京都町田市のキャンパス内にある学生寮を家宅捜索した。その後当該学生6人は連行され、21時に帰寮。以降は登校停止。

 ▽同17日 「危機対策本部」で引き続き事実確認と情報を整理。学生、保護者、卒業生、部外関係者に事情説明と陳謝を行った。

 ▽同19日~ 学生寮に居住する柔道部、サッカー部、硬式野球部に個別の聞き取り調査を実施中。

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