バレーボール協会 文書偽造を試みた幹部をけん責処分に 川合会長らが給与一部返納

 日本バレーボール協会は16日、臨時理事会を行い、国籍変更に踏み切った選手が日本代表資格を得られない事態になったことを巡り、国へ提出する上申書として事実と異なる文書案を作成したマーケティング本部長をけん責処分としたことを発表した。また、川合俊一会長らは給料を一部返納するとした。

 理事会後に報道陣向けの説明会が行われ、川合会長、国分裕之専務理事が出席した。国分専務理事は、文書案の内容について「実際には当該選手が海外にいた期間について取り扱いについて」とし、「『こういう取り扱いはできないか』と、当該チームに問い合わせた。チームから『それは認められない』ということでその場は終わった」と説明した。今後は組織のガバナンス強化にも取り組むとした。

 川合会長は説明会の最後に自ら「ひとりの選手の人生が関わるかもしれなかった。日本代表になれたかもしれなかった。そういう夢を持った選手にしっかりとした情報を与えて、われわれが把握していればもっと違った方向にいったんじゃないかと思って、大反省している」と当該選手に謝罪した。

 当該選手は2018年から日本でプレーしていたが、出生国の代表として国際大会に出場した経験があった。22年6月に所属チームからの日本協会に帰化についての支援依頼があり、選手は23年1月に帰化申請。23年2月から日本協会として帰化支援活動を開始した。

 ただ、日本バレーボール協会は、国際バレーボール連盟(FIVB)が23年6月に代表歴のある選手について国籍を変えても所属協会の変更は認めないと、規定を変更したことを把握しておらず、手続きの不備が発生し、当該選手が日本代表資格を得られない事態になった。11日の報道陣向けの説明会では「担当者がいなかったのが一番の原因。われわれの落ち度」と説明された。今後もFIVBに、当該選手が代表権を取得できるよう働きかけるというが、代表入りの可能性は低いという。

 また、国への上申書の偽造について、11日の説明会で国分専務理事は「インテグリティの観点から問題があり、スタンプというのが押されていたので(第三者委員会から)問題ではないかと指摘があった」とした。ただ、その後協会で検証した結果、問題はなかったと判断された。なお、上申書は提出はされていなかった。

 この件はコンプライアンス委員会が取り扱っていた。国分専務理事は「第三者委員会のコンプライアンス委員会の方で議論し、審議して結論を得てから、理事会に提言して最終的な結論を決議する」としていた。

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