阿部一二三が銅メダル死守 準々決勝2119日ぶり黒星も…約4時間後の3位決定戦で意地
「柔道・世界選手権」(14日、ブダペスト)
男子66キロ級3位決定戦が行われ、五輪2連覇王者の阿部一二三(パーク24)が、オーランド・ポランコ(キューバ)に大内刈りで一本勝ちし、銅メダルを死守した。準々決勝では、世界ランク4位のオビド・ジェボフ(タジキスタン)に敗れ、個人戦では19年8月26日の世界選手権準決勝の丸山城志郎戦以来、2119日ぶりの黒星。日本人最多5度目のVは逃したが、その約4時間後に行われた3位決定戦では気持ちを切り替え、五輪王者の意地を見せた。
2連覇を達成した昨夏のパリ五輪以来となる国際大会。初戦の2回戦はイタリア選手に背負い投げによる有効で優勢勝ちし、3回戦はフィンランド選手に伝家の宝刀である袖つり込み腰で一本勝ち。ただ、準々決勝は、背中越しに帯を持たれた後、強引に内股に入ったところを内股透かしで合わされて一回転し、背中を畳に付けられた。
敗者復活戦を制し、迎えた3位決定戦。いつもと変わらない冷静な顔つきで畳に立つ。心の乱れは一切感じさせなかった。引き気味の相手に、袖つり込み腰、大外刈りと積極的に仕掛け、最後は前に出たところを崩して大内刈りで一本。表情は変えず、頰がふくらむほど大きく息を一回吐いて実感を込めた。
パリ五輪後は長期休養の選択肢もあったが、最大の目標でもある28年ロサンゼルス五輪での3連覇を見据え、すぐに再始動。今季は全4月の日本選抜体重別選手権、体重無差別の全日本選手権と試合を重ねた。世界選手権の出発前には「コンディションはすごくいい。試合を積み重ねて、体のキレも出てきている」と手応え。約6年ぶりの黒星は喫したものの、この敗戦を糧に3年後の五輪でさらに強い姿を見せてみせる。





