篠塚、戸上組が金メダル 男子ダブルス64年ぶりの快挙 戸上「すごいな。23歳なので3倍」エース張本の背負う重圧再認識

 「卓球・世界選手権」(25日、ドーハ)

 男子ダブルス決勝で第2シードの篠塚大登(21)=愛知工大、戸上隼輔(23)=井村屋グループ=組が、第6シードの林昀儒、高承叡組(台湾)を3-2で下し、初優勝した。同種目の日本勢では1961年大会の星野展弥、木村興治組以来、64年ぶりの金メダルとなった。戸上は21年大会の同種目での銅以来、2個目のメダル獲得。篠塚は初出場で栄冠を手にした。今大会の日本は金1、銀1、銅2の計4のメダルを獲得した。

 フルゲームの末に快挙を成し遂げ、篠塚と戸上が両手を突き上げた。「64年ぶりかあ。すごいな。23歳なので3倍」と戸上。1960年代に卓球王国だった日本が、最もタイトルから遠ざかっていたのが男子ダブルス。昨年のパリ五輪で表彰台を逃して涙をのんだ2人が成長の跡を示し、金メダルをつかみ取った。

 第1ゲームは篠塚のラケットが戸上の右手に当たるミスもあって落とした。それでも篠塚の回転をかけたバックハンドで台湾ペアに対抗、1-2と追い込まれた第4ゲームは戸上が得意のフォアを次々に決めた。戸上は「1ゲーム目は足を引っ張ってしまったが、隣には熱く燃えている篠塚大登がいた」と感謝した。

 地元フランスと戦った昨年のパリ五輪団体3位決定戦。2人は第1試合のダブルスで敗れ、日本は流れを失った。時に淡泊だった篠塚は「パリで悔しい思いをして、強くなろうと思い続けた」と闘志を押し出すスタイルに転換した。この決勝の大舞台でも、劣勢から力強く盛り返した。

 エースの張本智和が不発だった大会。戸上はシングルスでも8強入りと活躍し「(張本智が)ここまで重圧を背負って戦っているのか、と感じられた。1人にさせるわけにはいかない」と自覚が増した。日の丸への思いを大一番にぶつけ、金メダルに結実させた。

 ◆篠塚 大登(しのづか・ひろと)2003年12月23日、愛知県東海市出身。21年世界ユース選手権U-19の混合ダブルスで優勝。全日本選手権シングルスで23、24年に4強、25年は準優勝。愛工大名電高から愛知工大に進学。パリ五輪代表。164センチ。

 ◆戸上 隼輔(とがみ・しゅんすけ)2001年8月24日、三重県津市出身。21年の世界選手権男子ダブルス3位。全日本選手権シングルスで22、23年に2連覇。パリ五輪代表。明大出、井村屋グループ所属。170センチ。

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