北口榛花 スマイル連覇 9月世界陸上舞台で今季自己ベスト!他選手やり直しのアクシデントにも堂々 気遣いも忘れず
「陸上・セイコー・ゴールデングランプリ」(18日、国立競技場)
女子やり投げは、昨夏のパリ五輪金メダリストで67メートル38の日本記録を持つ北口榛花(27)=JAL=が64メートル16をマークし2連覇した。男子100メートルは、パリ五輪男子400メートルリレー代表の柳田大輝(東洋大)が10秒06で制し2連覇。桐生祥秀(日本生命)は10秒16で5位だった。サニブラウン・ハキーム(東レ)は足の違和感のため欠場。男子3000メートル障害は日本記録保持者の三浦龍司(SUBARU)が8分18秒96で優勝した。女子1500メートルは田中希実(ニューバランス)が4分6秒08で2位だった。
手拍子のリズムに乗り、今季自己ベストのビッグスローで優勝。北口は手をたたき喜びを爆発させた。「完璧という形ではないと思うんですけど、投げられたことはホッとした。自信になった」。髪に着けた蝶(ちょう)のピンとピアスをキラリと光らせ、豪快に笑った。
今季2戦目。初戦だった3日のダイヤモンドリーグ(DL)第2戦(中国)では60メートル88の4位と結果が奮わず、「虚像が見えた」という。この日も「内容的にはかなりばらつきがあった」とは言いながらも1本目から61メートル41をたたき出す投てきを披露。「ちゃんとした像がちゃんとした向きで見られた。完璧ではないが、少しずつ近づいてきている」とうなずいた。
アクシデントにも動じなかった。3回目の試技後、計測の疑義が生じて他の2選手がやり直しに。それでも「世界大会でトラブルはつきもの。気にならなかった」と肝っ玉の大きさをみせた。さらに、やり直し前の記録で一時は北口を上回ったが、取り消しとなったオタボーには「『嫌いにならないでまた日本に来てね』と言いました」と気遣いも忘れなかった。
五輪女王も課題はまだまだある。「まっすぐ飛ばない」。やりに対してもっと力を伝えることが必要だとし「歩幅と進み具合と重心の乗り方を一致させるためにいろいろやっている」と実践中。この試合後はすぐに拠点のチェコへ戻り、次戦のDL第4戦(25日・モロッコ)に備える予定だ。
2連覇が懸かる9月の東京世界選手権まであと4カ月。「目指しているのは60メートルとかそういう記録ではない。負けないように、しっかり選択しながら準備したい」。日本人初の連覇へ、極め続ける。




