王鵬 覚醒金星!八角理事長「化けそうな感じ」横綱・豊昇龍転がした 弟の新十両・夢道鵬とともに成長
「大相撲夏場所・3日目」(13日、両国国技館)
平幕の王鵬が横綱豊昇龍をはたきこみ、昨年春場所の照ノ富士戦以来、2つ目の金星を挙げた。豊昇龍は初黒星を喫し、昇進2場所で早くも4つ目の金星を許した。綱とりの大関大の里は阿炎を送り出し3連勝を決めた。大関琴桜は小結若隆景に寄り切られ1勝2敗と黒星が先行。大勝ちなら大関とりの可能性がある関脇大栄翔は、若元春を突き落とし3連勝を飾った。
49本の懸賞を受け取っても、クールな表情は変わらなかった。王鵬が貫禄すら感じさせ、自身2つ目の金星を手にした。落ち着いた様子で「まだまだ前半ですけど、今日は良かったと思います」とうなずいた。
立ち合いは五分。王鵬は突っ張り合いから左に開き、両手で頭を押さえはたき、横綱を横転させた。「立ち合いは角度も良かったと思う。そのまま攻められたら良かったけれど」。内容に満足しない点も、成長を感じさせた。
今年の初場所では本割、優勝決定戦ともに敗れた相手。2018年初場所の初土俵では「大鵬の孫」と「朝青龍のおい」対決が注目を集めた同期でもある。それでも「前は前、今日は今日、今は今」と意に介さない。
関脇で臨んだ新三役の春場所は6勝9敗。「自分では、はね返されたと思っていない。実力さえ出せれば」。強気に今場所は琴桜、霧島に続き、横綱を撃破。八角理事長(元横綱北勝海)を「王鵬は化けそうな感じだ」と驚かせた。
祖父に“昭和の大横綱”大鵬を持ち、父は元関脇貴闘力。今場所は弟の夢道鵬が新十両。兄弟を指導した埼玉栄の山田道紀監督は「(二人とも)見た目はおっとりしているが向かっていくタイプ」と評価し「これからはライバル。弟がかわいい、とかは別のもの」とエールを送っていた。
夢道鵬が成長したからこそ、場所前の調整に手応えを得た。王鵬は「向こうが頑張ったおかげで、僕の稽古にもなる」と言い切った。4日目の相手は大の里。偉大な祖父が13回忌を迎えた今年、兄弟ともに覚醒の時を迎えようとしている。





