33歳で死去した母にささぐ 異色の経歴力士が幕下付け出し白星デビュー
「大相撲夏場所・初日」(11日、両国国技館)
異色の経歴を持つ行徳(玉ノ井)が、幕下付け出しデビューを白星で飾った。麒麟龍(二所ノ関)を寄り切った。
立ち合いから一気に前に出た。土俵際でヒヤリとする場面もあったが、落ち着いていた。「ほっとしています。土俵際で危なかったけれど足がついていった」と語った。
強豪の足立新田高では3年時にコロナ禍にみまわれ、拓大に進んだが相撲部には入らなかった。高校でコーチを務めながら社会人枠で相撲を続け、昨年の国民スポーツ大会で個人戦3位に入り、付け出し資格を得た。大学相撲部に所属せずに、資格を得たのは初のケースとなる。
行徳は「母の日なので白星を届けられて良かった」と胸をなで下ろした。5歳の時にがんで母・弘美さんを33歳で亡くした。「多くの方にお世話になりました」としみじみ。「もっと前に出て、形良く勝ちたい」と前を向いた。





