新入幕の嘉陽 中村親方のダメ出しで目標を「一日一番、全力で…」から強制変更 大相撲夏場所で番付発表

 新入幕会見に臨んだ中村親方(左)と嘉陽
 新入幕の抱負に「安全第一」と記した嘉陽
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「大相撲夏場所」(5月11日初日、両国国技館)

 番付発表が28日に行われ、新入幕の嘉陽(25)が師匠の中村親方(元関脇嘉風)とともに、両国国技館内で会見を行った。

 新しい番付を手に「自分の名前が大きくなってうれしい」と語った嘉陽。「師匠からたくさん食べろ、と言われています。昨年より15キロ大きくなった」と体が一回り大きくなった。低い立ち合いからの突き押しの他に、引き技、はたきなど、角界では評価されにくい取り口が持ち味だ。

 転機は師匠の中村親方による、精神面での助言で「思い切った相撲が取れるようになった」という。以前は引き技、変化への躊躇があったというが「やっちゃいけないことは、やっちゃいけないと自分に制限をかけること」と指導され、遠慮がなくなった。

 昨年6月に新設された中村部屋。朝食後に俊敏性や反応速度を高めるトレーニングを実施。昼食と休息後の夕方から相撲を取る2部制の稽古を行う。一日三食、2部制の稽古はともに角界では超異例だ。

 中村親方は部屋新設後初の新入幕に「結果でしか評価されない世界。うれしい、というより、よくやったな、という気持ちです」と話した。

 新入幕場所での目標を聞かれた嘉陽は「一日一番、全力を出して…」と模範解答を口にすると、隣の中村親方から耳打ちでダメ出しされた。気を取り直した後、気が乗らない様子から笑顔に変わり「10番勝って、中村部屋初の三賞を目指します!」と誓っていた。

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