豊昇龍 横綱相撲“封印”らしさ前面に荒れる春場所阻止だ 立浪親方助言「速い立ち合いで先手必勝が大事」
「大相撲春場所」(9日初日、エディオンアリーナ大阪)
大相撲春場所は9日にエディオンアリーナ大阪で始まる。新横綱豊昇龍(25)=立浪=は8日、大阪市内の部屋で基礎運動、ぶつかり稽古などで最終調整。初日を前に興奮と緊張を隠さなかった。師匠の立浪親方(56)=元小結旭豊=は横綱相撲にこだわらない姿勢を伝授。掲げてきた“豊昇龍らしさ”を前面に出し、“荒れる春場所”を平定する。
胸を出し、最後は自らぶつかって稽古を締めくくった豊昇龍。場所を見据え「ワクワクしているけど怖いのは怖い。まあ、やるしかない。今までと違う?それはそうでしょ」と心境を語った。
曙以来となる新横綱で一人横綱の重責も、東の花道から結びを務め続けることを「いいな。夢だったからね」と歓迎。場所前は多忙の中、右肘の違和感で稽古を休んだ日もあったが「(状態は)ぼちぼち」と話す。右肘のサポーターも外れており、状態に大きな不安はなさそうだ。
師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「勉強しながら、最低でも優勝に近い成績をね。今まで通りやってくれれば」と期待する。また、相手の攻めを受け止める横綱相撲は求めない姿勢を示した。
豊昇龍は体重150キロと幕内平均に届かないだけに、親方は「いい相撲にこだわる必要ない」と本人に伝えたという。「強い、正攻法の相撲にこだわるのはね。体も決して大きくはない。速い立ち合いで先手必勝が大事」と意図を明かした。
稀勢の里、照ノ富士と2代連続で新横綱優勝が実現。春場所では昨年まで若隆景、霧馬山(現霧島)、尊富士と3年連続で初優勝力士が誕生。番付最上位として“荒れる春場所”を制すれば存在感はぐっと増すはずだ。
豊昇龍は「一日一番集中すれば結果はついてくる」と自然体。「誰のこともまねしない。これが豊昇龍だと新しい横綱になる」という誓いを体現する準備は整った。