賭博容疑で書類送検の丹羽孝希 Tリーグ岡山が契約解除 緊急会見で発表 日本協会はコンプラ委員会開催へ

 卓球Tリーグの岡山リベッツは30日、岡山市内で会見し、海外のオンラインカジノサイトで賭けをしたとして賭博容疑で書類送検された元男子日本代表の丹羽孝希(30)との契約解除を発表した。チームの羽場誠代表取締役が100%、白神宏佑監督は30%の減俸処分とした。日本協会は倫理・コンプライアンス委員会を開く予定。Tリーグはチーム、選手に対するコンプライアンス研修を緊急に実施することを決めた。

 各所が対応に追われている。岡山リベッツは急きょ会見を開き、丹羽との契約解除を発表。羽場代表取締役は「夢を与えるプロ選手としてやってはいけない行為。たとえ不起訴だったとしても、本人が認めているということで、決して違法である認識がなかったとはいえ、プロ選手が賭け事をすることを軽く受け止めるわけにはいかない」と厳しく戒めた。

 所属契約を結ぶファーストも「弊社として調査中。今回の事態を重く受け止めており、適切な対応を検討して参ります」とホームページを更新。契約メーカーのVICTASも「詳細調査中」と回答した。

 2016年リオデジャネイロ五輪団体で銀メダルを獲得し、21年東京五輪団体銅メダルメンバーだった丹羽。インターネット広告をきっかけに、23年夏ごろまで暗号資産(仮想通貨)を元手にオンラインカジノを複数回利用した。スポーツの勝敗予想などで賭けをしたとみられる。20日に書類送検され、千葉県警の任意の事情聴取で容疑を認めている。

 チームの聞き取りに対して、本人は「Tリーグに関わる賭けは一切していない。海外のスポーツやルーレットに賭けていた」と説明しており、羽場氏によると借金はしていなかったという。「ほかの選手から聞いたとか、逆に丹羽選手がほかの選手を勧誘したということはないと確認済み」と明かした。

 今後、日本協会は倫理・コンプライアンス委員会を開く予定。宮崎義仁専務理事は「委員会の調査を待つことになるが、規定に基づいて何らかの処分が出るだろう」と見通しを語った。Tリーグは、これまでオフシーズンに実施していたチーム、選手に対するコンプライアンス研修を緊急に実施することを決めた。

 ◆丹羽孝希(にわ・こうき)1994年10月10日、北海道苫小牧市出身。7歳から卓球を始め、青森山田高時代の12年にロンドン五輪に出場し、団体で準々決勝敗退。明大時代の16年リオデジャネイロ五輪は団体で銀メダルを獲得。21年東京五輪でも団体の銅メダル獲得に貢献した。22年秋に国際大会から引退。今年1月の全日本選手権シングルスは5回戦で敗退した。世界ランク最高は5位。162センチ、51キロ。

 ◆岡山リベッツ 岡山県を本拠地とするTリーグチーム。名前の由来は、特産であるジーンズとポケットをつなぐパーツ「リベット」のように、卓球と地元岡山との架け橋になるチームでありたいとの願いから。18年4月に設立。23~24年シーズン3位、24~25年シーズンは現在までで3位につけている。この日に契約を解除された丹羽のほか、21年全日本選手権男子シングルス王者の及川瑞基などが在籍している。

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