ロスへ覚醒!松島輝空 全日本卓球初優勝 パリ五輪補欠も張本智&篠塚を連倒「心の中でうれしい。大舞台で倒せてよかった」

 家族で喜ぶ松島家。(左から)父・松島卓司さん、長女・美空さん、優勝した長男・輝空、次女・愛空さん、次男・翔空さん、母・由美さん
 決勝で戦う松島輝空
 ポイントを奪いガッツポーズの松島輝空(撮影・金田祐二)
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 「卓球・全日本選手権」(26日、東京体育館)

 大きく広げた両手とともに口角がにやりと上がる。松島輝が、張本智と篠塚を連倒して悲願のV。4人きょうだいの長男で年齢以上に大人らしく、派手な喜び方こそしなかったが「優勝できると思わなかった。感情には出ないけど、心の中でうれしい。大舞台で(2人を)倒せてよかった」と言葉からは本音が漏れた。

 一番のヤマ場となった張本智との準決勝。得意のバックハンドに加えて、素早く回り込むフォアハンドの強打がさえた。激しいラリー戦を制し「この大会にかけていた」と気持ちの強さも後押し。張本智の「チョレイ」をかき消すように、17歳のほえる声が何度も会場に響いた。続く決勝の篠塚戦も勢いのままに圧倒。第1、2ゲームを11-9で競り勝ち、最後も8点差をつけて勝利した。

 祖父母、両親が競技に関わる卓球一家。首が据わっていない0歳から卓球場で指導する父・卓司さんに抱えられ、ピンポン球が跳ねる音を子守歌代わりに育ち、英才教育を受けてきた。

 パリ五輪は世界ランク日本勢3番手ながら、前回大会で篠塚との直接対決に敗れ、落選。同五輪は補欠で帯同し、悔しさが募った。帰国後はすぐに練習を再開し、母・由美さんには「次は選手で行くから待っといて」と決意を込めたメールを送信。ロサンゼルス五輪の始まりの1年と言える25年最初の大舞台で、パリ五輪代表2人を撃破し、存在感を示してみせた。

 今年一番のターゲットは世界選手権(5月、ドーハ)。個人戦ではシングルスの出場はないが、男子ダブルスと混合ダブルスに出場予定だ。「金メダルを目指したい」。17歳のホープが、次の夢舞台へ向けて歩き出した。

 ◆松島輝空(まつしま・そら)2007年4月29日、京都府出身。0歳からラケットに触れ、母方の祖父母が開いた田阪卓球会館で3歳から本格的に卓球を始めた。18年に11歳でワールドツアーに初出場し、21年世界ユース選手権では15歳以下で3冠。24年世界選手権の団体戦代表で、パリ五輪には補欠として帯同した。同年の全日本選手権はジュニア男子シングルスで優勝。左シェークドライブ型。172センチ。4人きょうだい(弟、妹2人)の長男。

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