王鵬は惜しくも3代優勝ならず “笑み”を猛省「大関との差、ピリつき足りない」 優勝決定ともえ戦のくじ引きでも豊昇龍の執念に脱帽
「大相撲初場所・千秋楽」(26日、両国国技館)
平幕の王鵬(大嶽)が惜しくも悲願を逃した。本割で2敗の金峰山を直接対決で破り、12勝3敗で並んだ。その後、大関豊昇龍も3敗を守ったため、優勝決定戦のともえ戦に突入。決定戦では豊昇龍に敗れ、初優勝はならなかった。
手の届くところまで賜杯が見えたが、あと一歩及ばなかった。王鵬は決定戦で敗れた後、東西の支度部屋を結ぶ通路で豊昇龍とすれ違い、同期のライバルと握手。支度部屋に入ると「あ~、くそっ」と悔しさをあらわにした。
開口一番「悔しいっすね」と首をひねり、「勝たないといけないところで集中が切れた。(優勝まで)もうちょっとだが、そんなにもうちょっとではない。細かいところで立て直すべきところがたくさんある」と自分に厳しかった。
決定戦に備える支度部屋や花道では笑みを浮かべているようにも見えたが、「表情に出ちゃってますかね。楽しい(気持ち)が勝っちゃって、そこが大関との違いなのかな。ピリつきが足りなかった。そこ(甘さ)を壊していかないと。(今)悔しさより充実している気持ちが勝っている(のがダメ)」と、敗因を精神面に求めた。
ともえ戦の順番を決める際には、われ先にとくじを引き、1番を当てた大関の執念に気圧される部分もあった。「同学年だけど、そこは尊敬する」。
祖父の元横綱大鵬、父の元関脇貴闘力に続く史上初の「3代優勝」の夢は持ち越しとなったものの、初の三賞となる技能賞を獲得。来場所は新三役昇進が有力となった。「(三賞を)もらえたのは良かった。(三役は)僕はやることはやったが、運が悪いので期待はしてない(笑)。上がったらうれしい」。今場所一皮むけた印象を与えた大器は、さらなる飛躍を予感させた。


