「大相撲初場所・１４日目」（２５日、両国国技館）

　平幕の金峰山は霧島をすくい投げで破り、１２勝目を挙げて単独トップを守った。カザフスタン初の幕内力士が初優勝に王手をかけた。平幕王鵬は隆の勝を突き落とし、綱とりの大関豊昇龍は尊富士を寄り切って、ともに１差をキープ。優勝争いは３人に絞られた。千秋楽は金峰山が王鵬に勝てば優勝。王鵬は優勝決定戦に持ち込んでの初優勝、豊昇龍は琴桜との大関対決を制して、他力ながら、優勝決定ともえ戦からの２度目の優勝を目指す。

　豊昇龍が大関の意地でＶ戦線に踏みとどまった。鋭い踏み込みで一気にもろ差し。尊富士に体を入れ替えられても、お構いなしにまわしを引き、走って寄り切った。番付以上に同級生対決は気持ちが熱くなる。「負けたくなかった。しっかり集中した」とうなずいた。

　自力Ｖの可能性は、この日をもって消滅。ただ千秋楽で王鵬が金峰山に勝ち、自身が琴桜との大関対決を制した場合だけ、３人によるともえ戦で２度目の優勝のチャンスが回ってくる。

　綱とりの可能性について、幕内後半の審判長を務めた粂川親方（元小結琴稲妻）は「終わってからじゃないですか」と話すにとどめたが、優勝以外ならそもそも昇進はない。「（Ｖは）意識してない。勝つんじゃなく負けない相撲が取りたい」と豊昇龍。まずは目の前の星をつかみ、望みをつなぐ。