杉原愛子 予選3位で3大会連続五輪出場へ好発進「こんなに上で驚いている」 13日決勝でベテランの意地見せる「緊張をパワーに」
「体操・全日本個人総合選手権」(11日、高崎アリーナ)
パリ五輪代表選考会を兼ねて女子予選が行われ、日本女子3人目の3大会連続五輪出場を目指す杉原愛子(24)=TRyAS=が53・432点の3位で、五輪代表入りへ好発進した。「こんなに上の方にして頂けて驚いている」と照れ笑いだった。
最初の段違い平行棒で大きなミスなく演技を終え、観客に笑顔で手を振った。3年ぶりに出場する今大会は段違い平行棒が練習から「ガチガチ」だったが、ともに東京五輪に出場した村上茉愛さんに「あと手が5センチ伸びれば大丈夫だよ」と冗談で緊張をほぐしてもらった。床運動では観客から手拍子も跳び、「一緒に楽しんでいただいた」と感謝した。
杉原は21年東京五輪のあと、一度は競技生活にひと区切りをつけたが、昨年6月に1年ぶりに現役復帰。現在はパリ五輪出場を目指している。1月には活動資金としてクラウドファンディングで約500万円を集め、2月には16年リオ五輪の金メダリストであるシモーネ・バイルズらが練習する米国のクラブチームで2週間の合宿を敢行した。
首位の宮田笙子は19歳、2位の中村遥香(なんばク)は15歳と若手が台頭。東京五輪代表選考会とはメンバーも様変わりした。杉原は「ある意味ベテラン」と自身の立ち位置を表現しつつ、13日の決勝へ「経験値は自信になる。緊張をパワーにするのがポイント。緊張を楽しみたい」と、明るく意気込んだ。
◆体操女子のパリ五輪代表選考 5人が代表に選出される。全日本選手権の得点を持ち点に争う5月のNHK杯(高崎アリーナ)の上位4人とチーム貢献度で1人が代表入りする。