男子マラソンに超新星!国学院大・平林が記録ラッシュでV 28年ロス五輪へ名乗り!

 「大阪マラソン」(25日、大阪府庁前~大阪城公園)

 パリ五輪代表選考となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねて行われ、男子は平林清澄(21)=国学院大3年=が日本歴代7位の2時間6分18秒で優勝した。西山和弥(トヨタ自動車)が持つ2時間6分45秒の初マラソン日本最高記録と、横田俊吾(青学大、現JR東日本)が持つ2時間7分47秒の日本学生記録を更新。2028年ロサンゼルス五輪の星として名乗りを上げた。今大会で五輪代表選考設定記録(2時間5分50秒)突破者は出なかった。女子はワガネシュ・メカシャ(エチオピア)が2時間24分20秒で制した。

 日本男子マラソン界に彗星(すいせい)のごとく現れたニューヒーローが、記録ずくめの優勝をかっさらった。両手で『1』を作ってゴールすると、自身に拍手を送り、両手を突き上げて喜びを爆発させた。「率直にうれしい。勝負に徹した中でタイムが出てよかった」。持ち前の明るさで勝利の余韻をかみしめた。

 勝負に出たのは32キロ。先頭を走るパリ五輪代表の小山の前に出ると、そのままスピードを上げた。沿道で見守るチームメートへは「余裕を持っている時の方がいい結果が出る」とあえて笑顔のガッツポーズで応えた。終盤は海外選手に後ろにつかれても先頭を死守し、粘り強さも発揮した。

 福井県越前市出身。地元で「お猿さんと一緒に、お山で育ちました」という。小学生の時は短距離が苦手で「下から数えた方が早かった」と明かす。毎年あるマラソン大会は3回サボるなど陸上とは縁遠かったものの、中学のときに出場した市民マラソンで、県の「10番ほど」だったことをきっかけに、高校から陸上を始めた。

 国学院大では駅伝で活躍し、今年の箱根はエース区間の“花の2区”で区間3位になった。マラソン挑戦に本格的に動き出したのは2年の時。初マラソンは昨年大会で予定したが、仙骨の疲労骨折で見送った。昨夏からはマラソンに向けて再び体を作り、スピードと距離を組み合わせた練習をこなし、168センチ、44キロの“軽量ボディー”が織りなす軽い走りを強化した。

 パリ五輪代表選考の対象は、過去に日本陸連の指定したマラソンで完走したことなどが条件のため、土俵に上がることはない。選考がかかった他の選手に比べて重圧がない中、25年東京世界選手権や28年ロサンゼルス五輪への好材料になったことは確かだ。

 前田監督は「シンデレラボーイ的な『シンデレラ坊や』ですね。(シンデレラ)ボーイになる時は日本代表」と命名し「(将来的に)4分台を狙える。本格勝負は次」と期待した。平林も「次の五輪は代表を狙いたい」と気合十分。初マラソンの“魔法”では終わらない、強い真価を発揮する。

 ◆男子マラソンのパリ五輪代表選考 代表枠は3。昨秋のMGCで1位の小山直城(ホンダ)、2位の赤崎暁(九電工)が内定している。残る1枠はMGC3位の大迫傑(ナイキ)が現在1番手。代表選考会は東京マラソン(3月3日)を残すのみで、設定記録2時間5分50秒を突破した最速選手が代表となり、該当者がいなければ大迫が2大会連続の代表になる。東京マラソンには日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)、世界選手権代表の山下一貴(三菱重工)らがエントリーしている。

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