張本智和が6年ぶり日本一!パリ五輪代表決戦でフルゲーム劇勝 決着の瞬間は呆然「神様が『勝て』と」 計8度マッチポイント凌ぐ 渾身「ハリバウアー」も
「卓球・全日本選手権」(28日、東京体育館)
男子シングルス決勝が行われ、パリ五輪シングルス代表同士の激突は、張本智和(20)=智和企画=がフルゲームの死闘の末、3連覇を狙った戸上隼輔(22)=明大=を4-3で下し、6年ぶりの優勝を飾った。
先に行われた女子決勝で妹の美和が女王早田の前に完敗で準優勝。兄の貫禄を示したい一戦だったが、序盤は戸上にペースを握られた。第1ゲームを8-11で落とすと、第2ゲームは12-10で奪い返したが、第3、4ゲームと8-11で落とし、崖っぷちに。しかし、第5ゲームを11-8で奪い食い下がると、第6ゲームは3度マッチポイントを握られながらも、踏ん張り、14-12で奪取。雄たけびを上げながら両腕を突き上げて、背を反らす“ハリバウアー”を披露した。
最終ゲームも一進一退の攻防が続き、戸上に5度マッチポイントを握られたが、14-14から最後は気迫を前面に出して、押し切った。決着の瞬間は呆然とし、そのまま首を振って座り込んだ後、徐々に喜びが溢れ、コーチと抱き合うと、「シャー!」と歓喜の雄たけびをあげた。
優勝インタビューでは「本当に言葉が出ないですね。いつも自分インタビューは完璧なんですけど。きょうは誰に感謝していいか。会場のすべての皆さん、相手を含めてすべてに感謝したいです。初優勝なんじゃないかというぐらい全日本優勝の仕方を忘れていた。戸上選手は本当に強いです。僕と彼は同等でライバルで、本当によきライバルです。ポイントは多すぎて、正直足痙っていたが、最後の2ポイントでピタっと止まった。神様に勝てと言われていると思っていた。8度マッチポイントを凌いだのは、この先あるかないか。それぐらいのこと。神様が6年ぶりに優勝をくれたのかなと」と、振り返った。





