城西大・山本唯翔が区間新 2年連続で“山の妖精”舞い降りた「記憶に残る走りができて本当に良かった」

 「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~箱根町芦ノ湖駐車場)

 “山の妖精”が今年も箱根に舞い降りた。冷たい雨が降りしきる中、城西大の5区・山本唯翔(ゆいと)=4年=が、2年連続の区間新記録となる1時間9分14秒で走破。青学大との差を18秒、駒大とは1分30秒縮め、チームを過去最高の往路3位に押し上げる大仕事を果たした。

 櫛部静二監督(52)が前回、運営管理車から激励で送った「“山の妖精”になろうぜ」の異名が定着したスペシャリスト。昨年11月の全日本大学駅伝後は記録会に出場せず、このために大学近くの山で練習を積んできた。「登りなら負けない自信があった」と、昨年は足のけいれんに苦しんだ11・9キロの小涌園付近も苦にせず20・8キロを駆け抜けた。

 “山の神”と呼ばれた今井正人(順大→トヨタ自動車九州)らの系譜を継ごうと、誓いを立てた最後の箱根。「神になれなくても自分との戦いと思っていた。どう呼ばれようと、みんなの記憶に残る走りができたことは本当に良かった」。記録にも記憶にも残る走りで、妖精は確かに神に近づいた。

 次なる目標はマラソンへの挑戦。実業団入り後は、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場や、五輪を見据える。「オリンピックで最終的には入賞とか表彰台に上れるように」。箱根の山の先に続く、長く険しい五輪への登り道を見上げた。

 ◇山本唯翔(やまもと・ゆいと)2001年5月16日、新潟県出身。幼少期はクロスカントリースキーを経験した。松代中から新潟・開志国際高、20年に城西大に進学し、箱根は1年ときに5区で区間6位。2年ぶりの出場の前回も5区を走り、区間新の1時間10分4秒をマークした。168センチ、51キロ。

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