豊昇龍 5連勝も場内騒然 集中しすぎ?異例の立ち合い3分超にらみ合い 粂川審判長「ひどすぎる」
「大相撲九州場所・5日目」(16日、福岡国際センター)
大関豊昇龍が平幕・豪ノ山を下して、5連勝を飾った。立ち合いは異例の3分超のにらみ合い。場内が騒然となった。取組後には審判部に呼び出されて注意を受けた。他の2大関では貴景勝が高安を退けて1敗を堅守、霧島も4勝目を挙げた。全勝は豊昇龍、大栄翔との関脇対決を制した琴ノ若、平幕の熱海富士、一山本の4人となった。
場内がざわついた。豊昇龍と豪ノ山が腰を下ろした後、にらみ合って動かなくなった。豪ノ山が先に右手をつくも、大関は両手を浮かしたまま。観客からは「何やってるんだ!」、「長いぞ!」と怒号が飛び交う始末。2度の仕切り直しでようやく成立したが、行司の最初の「待ったなし」からは実に3分超が経過していた。
勝負は豊昇龍が勝利。やや立ち遅れたが、相手ののど輪を受け止めてから反撃し、あてがいながら砂かぶり席まで吹き飛ばした。ただここでも土俵下の相手を必要以上にらみつける大関らしからぬ行動。「熱くなった。(立ち合いは)相手が何を考えているか分からない。自分のことに集中した」と釈明した。
取組後はまわし姿のまま審判部に呼び出され、口頭で注意。幕内後半の審判長を務めた粂川親方(元小結琴稲妻)は「ひどすぎる。じらしすぎ。大関は力士の見本にならないといけない」と指摘し、NHKで解説を務めた師匠の立浪親方(元小結旭豊)も「帰ったら指導しておきます。気合が入りすぎたのか」と困惑していた。
それでも8勝7敗と苦しんだ新大関場所とは変わって、大関陣唯一の無傷5連勝。初日からの連勝記録は自己最長となった。「体は悪くない。一日一番頑張る」。闘争本能むき出しの男が中盤戦も荒々しく戦う。




