日大アメフト問題 林真理子理事長と沢田副学長の対立「今の状況では日大は再生できない」第三者委

 会見をおこなう第三者委員会の綿引万里子委員長(撮影・三好信也)
 第三者委員会の報告をおこなう綿引万里子委員長(中)小林明彦委員(右)中村直人委員(撮影・三好信也)
 第三者委員会の報告に多くの報道陣が集まった(撮影・三好信也)
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 日大アメリカンフットボール部の違法薬物事件で、日大の対応を検証する第三者委員会(委員長・綿引万里子弁護士)が31日、調査報告書を公表し、都内で記者会見を行った。報告書では、薬物に関する学内対応には複合的な原因があり、林真理子理事長らによる「ガバナンス(組織統治)が機能不全に陥っていた」などと指摘。「得られた情報を自己に都合よく歪曲(わいきょく)」「誤った判断基準に基づいた対応」と言及した。

 記者会見では、林真理子理事長が、事件対応を担当した沢田康広副学長の解任を提案していることについて質問があった。元検事の沢田副学長は、7月にアメフト部の寮で大麻のような不審物を見つけた際、警視庁への報告が12日後だったことなどが批判された。

 林理事長は9月4日に沢田副学長と面会し、理事長まで情報が上がってこなかったことなどを理由に辞任を求めていた。沢田副学長は、学長を通じて状況を伝えるようにしており、独断ではなく、辞任を求める理由に合理性がないと主張している。

 第三者委の綿引委員長は「まさに今のような状況が続けば、日大は再生できない。どういうふうに再生するのか」と対立構造を問題視。林理事長、沢田副学長とも「決して日大を憎んでいるわけではない。日大を再生する気持ちはお持ちのはず」とし、「私たち(第三者委)が振り付けできることではない」と話した。また、現状は「異常事態」と強い言葉で言及した上で、再生への道は「学外理事の力が重要になる」と述べた。

 同委員長は、林理事長、酒井健夫学長の辞任要求についても「この法人をどうしたいかは、この法人自身が考えなくてはいけない」と、第三者委として辞任を求めることはないとしている。

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