ラグビー日本 1次L敗退 3トライ奮闘も格上アルゼンチンに及ばず 姫野主将「まだまだ強くなれる」
「ラグビー・W杯・1次リーグD組、日本代表27-39アルゼンチン代表」(8日、ナント)
あと一歩及ばなかった。日本は4強2度の強豪アルゼンチンに27-39で敗れ、2勝2敗の勝ち点9で同組3位に終わり、前回の2019年大会に続く2度目の8強入りを逃した。日本は前半、ロックのアマト・ファカタバ(BR東京)、SH斎藤直人(東京SG)のトライで14-15と粘って折り返した。後半もジョネ・ナイカブラ(BL東京)のトライなどで一時2点差と食い下がったが、相手の攻撃力に計5トライを許して屈した。
2大会連続8強を逃した。退任が決まっているジョセフHCにとっては最後の試合。8年前、自身の初陣で敗れた因縁の相手アルゼンチンを超えられなかった。それでも「今までタフな試合も勝ってきた選手を誇りに思う」。悔しさをにじませながらも、最後まで選手を思いやった。
開始2分で先制トライを奪われる展開にも、ロックのファカタバやSH斎藤のトライで前半を14-15で折り返した。だが日本が課題とした終盤の失速は、この試合も改善されなかった。後半25分に途中出場のナイカブラのトライ(G成功)で2点差まで迫ったが、それ以降の得点は奪えず突き放された。主将のナンバー8の姫野和樹(トヨタ)は「勝てそうなところまできていた。悔しい」と振り返った。
19年W杯以降の4年間は苦難の強化だった中で、格上相手にも十分戦える力をつけてきた。20年はコロナ禍で一切の代表活動ができず、再開していた他国とは1年の後れを取った。そんな状況に、ジョセフHCは「すごく大きなチャレンジ」と常々口にした。
さらに、20年には日本チームのサンウルブズが参戦していたスーパーラグビー(SR)を除外され、ジャパンの強化を担ってきた南半球最高峰でのプレー機会を失った。それでも「前回大会からの積み上げがある」と指揮官が続投したことによって、8年となった継続強化がより強固な「ONE TEAM」の土台を作り上げた。
定めた新たな目標は「優勝」だった。世界最高峰の大会を世界一高い山に重ね、「自分たちはエベレストを登る」(坂手)と例え、てっぺんを目指す意志をチームメートと再確認。昨年6月の宮崎合宿からは縦3メートル、横10メートルほどのエベレストの絵が宿舎に運び込まれ、選手らは肩を組んで見つめた。ただ、世界の頂点は想像を超える高さだった。
今大会で日本代表のW杯通算勝利数は10を超えた。「ここまで選手が頑張れたのはファンのみなさんのおかげ。まだまだ日本のラグビーは強くなれると信じている」と姫野。27年大会こそ、海外でのアウェーでも勝ちきる力をつけ、リベンジする。


